今年も盛りだくさん秋の名物「JRAアニバーサリー」

2025年9月10日 05:05

現在開催中の中山競馬場のパドックのオッズ版にある 「JRAアニバーサリー」のお知らせ

 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は東京本社の万哲こと小田哲也(57)が担当。15日に行われる「JRAアニバーサリー」に迫った。すっかり秋の名物になった企画はなぜ生まれたのか?いつ誕生したのか?今年の注目は?万哲が分かりやすくアテンドします。

 JRA記念日にはJRAの歌が流れる!?夏競馬が終わり、秋G1初戦のスプリンターズSまで待機期間。JRAアニバーサリーは初秋最大のキャンペーンとして定着した感がある。現在開催中の中山競馬場内に告知ポスターが至る所に張られ、パドックのオッズ表示板の下に「9月15日(祝・月)はJRAアニバーサリー」とデカデカとド~ン。いつ始まったのか。昭和~平成時代にはなかった気がする。誕生の経緯は?

 「1954年9月16日に日本中央競馬会法が施行されて、それまでの国営競馬を引き継ぐ形で日本中央競馬会が設立しました。そのため、同日を創立記念日としています」(JRA広報)

 JRA創立は戦後間もない71年前。東京優駿大競走(日本ダービー)を創設した安田伊左衛門氏がJRA初代理事長に就任した。テレビが急速に普及し、高度経済成長が始まった年ともいわれる。そして、アニバーサリーデーは同創立65周年となる2019年(令和元年)にファンへ感謝の気持ちを伝え、JRA創立からの歩みや歴史を振り返る日として始まった。

 コロナ禍も経て、迎える7度目のアニバーサリーデー。今年は9月16日が平日で競馬開催がなく、祝日の15日に実施される。ファンにも知れ渡っているのだろう。先週、中山を訪れていた江戸川区の中平徹郎さんは「馬券が得になる日ですよね?勝浦さん、武士沢さんのイベントも楽しみ」と中山再来場を誓っていた。15日の中山ではテレビ解説ですっかりおなじみになった元騎手の勝浦正樹さん、武士沢友治さん(JRA競馬学校教官)のスペシャルトークショーが最終レース後に行われる。阪神ではJRA創立の71年前に生まれてJRAとともに育った元調教師の音無秀孝さん&藤沢則雄さんの“同級生コンビ”のかなり貴重なアニバーサリートークショー。体が2つあったら、どっちも行きたいところだ。

 当日15日は「JRAサンクスW(ダブル)プラスデー」として、WIN5を含む全レース(全24競走)の払戻率を80%に設定する「JRAスーパープレミアム」と、UMACAやUMACAスマートで購入した際に通常の5倍のポイント(2・5%)を進呈する「UMACAボーナスポイント」をダブルで実施。競馬場に行けなくても、競馬を一日お得で楽しめる。

 歴史を振り返る一環として、過去(10年前、20年前)のJRA賞年度代表馬の馬名を冠したレースを実施する。中山では「2005メモリアル ディープインパクトカップ」、阪神では「2015メモリアル モーリスカップ」が組まれている。「ディープの3冠はもう20年前のことか…」と僕自身、時の流れの早さに驚いている次第。

 他にもキャンペーン、イベントはあまりに多過ぎるので詳しくはJRA公式サイトで。話は戻って、友人が「アニバーサリーの日は競馬場でJRAの歌(競馬会の歌)が流れるよね?」と真偽不明の質問があったので広報に聞くと、丁重に答えが返ってきた。

 「会歌については、記録がございませんでした」

 無念…。JRAの歌は残念ながら実在しないようだが、特別な一日なのは間違いない。3日間開催の最終日15日は資金も体力もしっかり温存して楽しみましょう!!

 ◇小田 哲也(おだ・てつや)1967年(昭42)12月15日生まれ、埼玉県出身の57歳。大学時代は競馬仲間と横断幕作りに没頭し、書いた馬はスズパレード、オグリキャップ、ワンダーナルビー、サンドピアリスほか多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」のパドック解説を担当中。

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