【スプリンターズS】カピリナ 迫力満点の加速ラスト1F11秒8 田島師「不安はない」

2025年9月25日 05:30

坂路を併せで追い切るカピリナ(左)(撮影・村上 大輔)

 夏の勢いは本物だ。カピリナが迫力満点の動きを披露した。最終追いは坂路で併せ馬。ジャスリー(5歳3勝クラス)を目標に力強い脚さばき。豪快にチップを蹴散らしながら駆け上がった。仕掛けられるとさらに加速。ラスト1Fはこの日の美浦坂路の最速となる11秒8(4F53秒6)をマーク、僚馬に1馬身先着した。田島師は「時計もしまいも、いい動きだった」と初のG1挑戦を前に手応えを口にした。

 1週前追い切りも活発な動きを見せた。18日は戸崎を背に坂路で4F54秒9~1F11秒9。しまい重点で、文句なしの鋭い伸び。指揮官は「もう少し時計を詰めても良かったと思ったが、最後の動きは良かった」と理想の仕上がりに満足げだった。

 前走の函館スプリントSで初めて重賞のタイトルを獲った。鼻差の大接戦を制し、コースレコード(1分6秒6)を樹立。13年から田島厩舎に所属する戸崎は自厩舎の馬で初の重賞勝ち。「(達成したいと)凄く思っていた部分だったので勝ってくれて良かった」。鞍上の戸崎はセントライト記念→オールカマーと2週続けて中山重賞V。今年104勝を挙げ、JRA騎手リーディングでトップを独走中。「彼(戸崎)は何度もG1を勝っていますからね。頼もしい存在です」とコンビでのG1初制覇へ思いを描いた。

 カピリナは23年12月にダートでデビュー、昨年7月に芝へ転向した。そこからは非凡な瞬発力を発揮。【4・0・2・1】で着外の1回も4着と抜群の安定感を誇る。中山1200メートルはオープン入り(24年12月南総S)を決めた場所。「勝っている距離、舞台。不安はないですね」と田島師は力を込めた。充実の夏を過ごした4歳牝馬が勢い最高の鞍上と共に強豪へ立ち向かう。

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