【朝日杯FS】佐藤悠太師 コルテオソレイユで恩返しを 愛着ある馬で「出られてうれしい」

2025年12月19日 05:30

コルテオソレイユでG1に挑戦する佐藤悠太師

 開業初年度でG1制覇の快挙なるか。「第77回朝日杯FS」の出走馬が18日、確定した。コルテオソレイユを送り出すのは今年3月に開業した佐藤悠太師(37)だ。先週終了時点でJRA20勝、うち2歳戦で7勝を挙げる気鋭の若手トレーナーに注目!同レースは19日に枠順が決まる。

 初年度から存在感を示している。今年3月に開業した佐藤悠師は朝日杯FSに送り出すコルテオソレイユが管理馬のJRA・G1初出走となる。「デビューから管理させていただいた2歳馬でG1に出られるのはありがたいです」と笑みを浮かべて「ここから厩舎としてステップアップしたい」と気を引き締めた。

 先週終了時点でJRA20勝。ユニコーンSをカナルビーグルで制し、重賞初制覇を飾った。世代別でとりわけ好調なのが2歳で7勝を挙げている。「能力が高い馬を預からせていただいて」と関係者に感謝しきり。続けて「試行錯誤をしながら、厩舎スタッフを含めて成長できていると思います。波がなく毎月、勝てているので」と胸を張った。

 コルテオソレイユは7月に福島6F戦でデビュー。善戦を続けながら距離を延ばして4走目の阪神マイルで初勝利を飾った。「最初はスプリント力をつけなきゃいけないと思っていて、経験を積みながらバランスが整って気持ちがマイルドになってきました。これなら距離を延ばして良さそうかな」と心身がかみ合い頭角を現した。昇級戦の前走ベゴニア賞が2着。体重を12キロ増やし、456キロでの好走に「東京輸送を挟んでプラス。まだまだ成長してほしいですけど、中身が詰まってきました」と目を細めた。

 馬主である「ニットー商事」で代表取締役を務める占部恵太氏とも縁が深い。同馬は昨年の北海道セレクションセールにおいて1540万円(税込み)で落札された。「(金沢競馬で調教師の)僕の父(佐藤茂師)の代から、ずっとお世話になっていて本当にいい方。(自身の)開業に合わせ、せっかくだからということで好きな馬を選ばせていただいたんです」と恩義を感じている。当時の愛馬について「バランスが良くて可動域が大きい。ピリッとしたところもあって競走馬向きだと思いました」と印象を伝えた。「オーナーも初めてのG1。選ばせていただいた馬で出られて、うれしいです。まずは無事にいってくれたら」と力を込めた。サポートを受ける全ての関係者への感謝を忘れず、管理馬の能力を引き出していく。

 ○…84年のグレード制導入後、開業初年度の調教師によるJRA・G1制覇は別表の通り過去6回あった。今年開業の佐藤悠師はG1初挑戦Vなるか。また、タガノアラリアを管理する西園翔師(開業3年目)もG1初挑戦。現役調教師でJRA・G1初挑戦Vは西園正師(01年阪神JF・タムロチェリー=開業4年目)、森一師(25年桜花賞・エンブロイダリー=開業2年目)が達成している。

 ◇佐藤 悠太(さとう・ゆうた)1988年(昭63)5月3日生まれ、山形県上山市出身の37歳。父は金沢競馬で調教師を務める佐藤茂師。山形南高を経て日本獣医生命科学大学で動物栄養学専攻。乗馬を本格的に学んだ後、北海道のノーザンファームに就職し経験を積んだ。12年10月にJRA競馬学校厩務員課程入学。13年9月に栗東・田中章博厩舎の調教助手になり、師の死去による厩舎解散に伴って16年9月に寺島厩舎へ。23年、7度目の受験でJRA調教師免許試験合格。今年3月に厩舎を開業し、同23日の阪神6R(カナルビーグル)で初勝利。自身の誕生日である5月3日にユニコーンS(カナルビーグル)で重賞初制覇を飾った。JRA通算202戦20勝。

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