横山琉人 初の栗東滞在経て重賞勝ちへの思い強く 冬の小倉ではフル参戦5勝
2026年3月11日 05:19 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は大阪本社の新谷尚太(48)が担当。冬の小倉(1月24日から3月1日)が開催された1カ月半、美浦を離れ、初めて栗東滞在を経験した横山琉人(23=相沢)を取り上げる。環境を変え、稽古に励んだ日々を振り返り、そして今後の目標を聞いた。
デビュー6年目を迎え、環境を変えた。横山琉は冬の小倉開幕に合わせて栗東へ。滞在初日は調教スタンドに顔を出すと、まずはあいさつ、自己紹介からスタート。調教師をはじめ厩舎スタッフら、報道陣にも丁寧に「よろしくお願いします」と声をかけて回った。競馬学校生の頃に来て以来で「騎手になってからでは初の栗東滞在でもあったし、凄く新鮮でデビューした頃の心境を思い出しました」と目を輝かせる。「逍遥(しょうよう)馬道の高低差や長さ。追い切りは美浦とは違う形でのテンの入り方など、さまざまなところで刺激を受ける出来事がありました」と東西トレセンの違いを体感した。全休明けの火曜から調教にまたがり、金曜の調教を終えると小倉に移動。週末はレースに臨み、充実した6週間だった。
初のフル参戦となった小倉では74鞍に騎乗し、5勝。1番人気で3勝、3番人気で2勝と上位人気を勝利に導き、一方で15番人気で2着と高配を提供するシーンもあった。ただ、開幕前に掲げた週1勝ペースで計6勝という目標に届かず。「勝ったことよりも負けたレースで、こうしておけば良かったんじゃないか…と考えることの方が多かったです」と反省しつつ、騎乗技術の向上に取り組む。
小倉では2年先輩の小林凌が障害初騎乗(2月22日、小倉4R・障害未勝利、リケアキャンディ10着)を果たしたことに刺激を受けた。元騎手で障害の名手であった父・義行氏がメルシーエイタイムとのコンビで制した07年中山大障害を現地で観戦し、感動。騎手を志した経緯がある。「デビューした頃から障害に乗ってみたい思いがありました。今は平地しか乗っていないけど、いずれはチャレンジしたいと思っています」と父の背中を追う。
昨年6月28日にJRA通算100勝を達成、年間27勝を挙げた。ただ、自身最多の年間34勝(22年)を超えられず。「多くの関係者の方々に騎乗依頼を頂きましたが、勝たせてあげられたはずの馬で結果を残せないことが多かった。納得のいく数字ではなかったです」と唇をかむ。その分、今年こそ…との思いは強い。
きっかけを求め、短期間ではあったが栗東へ。一歩、踏み出したことが、きっと今後の糧になる。「僕が栗東にいる間は自厩舎の皆さんの負担が増えたので現時点で来年の滞在は考えていないけど可能な限り挑戦したい」と思い描く。目標を聞くと「今年は重賞を勝ちたい。そのためには日頃から騎乗技術を磨き、一つでも多く結果を出さなければいけないと思っています」と力を込めた。これまで重賞はフィールシンパシーとのコンビで23年ターコイズS2着、福島牝馬Sは24年2着&25年3着と3鞍いずれも8番人気で馬券絡み。インパクトシーに騎乗した25年ラジオNIKKEI賞の8番人気3着もあった。昨日より今日、今日より明日。少しずつでも前へ。その思いを胸に日々、馬と向き合っていく。
◇横山 琉人(よこやま・りゅうと)2003年(平15)1月8日生まれ、茨城県出身の23歳。父・義行氏は元騎手。21年3月に美浦・相沢厩舎所属でデビューし、同年4月10日の中山1R(ノアファンタジー)でJRA初勝利。JRA通算2194戦116勝。1メートル60、44・9キロ。血液型O。
◇新谷 尚太(しんたに・しょうた)1977年(昭52)4月26日生まれ、大阪府出身の48歳。18年5月から園田競馬を担当、同年10月に中央競馬担当にコンバート。前職は専門紙「競馬ニホン」の時計班。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」のパドック解説を担当。
