【大阪杯】池江泰郎氏 他馬とは違う脚色だったクロワデュノール
2026年4月6日 05:30 【池江泰郎 匠の解説】クロワデュノールだからこそ差し届いたのではないか。直線半ばの態勢的にはメイショウタバルが逃げ切っても不思議でないように映ったが、みるみる間に差を詰めて最後はきっちりと捉えて逆転。昨年ダービー以来のG1戴冠は主役を誇示するかのような強さだった。
大外枠は試練か!?と思ったが、そうでもなかった。幸いだったのは道中、だんご状態の外々ではなく、縦長の中団外めだったことか。メイショウタバルの1000メートル通過は58秒1と速い。他馬は脚をためるどころか、そがれた感すらある。ところが冒頭に書いたように、クロワデュノールだけは他馬が追い込もうとしても追い込めぬ展開を一頭だけ違う脚色で届かせてみせたのだ。優れた心肺機能に加え、追えば追うほどに伸びる加速力があるからで、さすがダービー馬!と称えるのみ。北村友一君も人気のあるジョッキーだ。本人の表情やしぐさにファンが呼応する歓声に、それは伝わってくる。クロワデュノールはやはり彼が最も似合う!継続騎乗にその気持ちを強くさせてくれた。
2着のメイショウタバルも立派だ。その気になれば単騎逃げがかなう顔触れだが、速いペースで逃げている。これは私なりに推測すると武豊君はあえて自分の馬もしんどいが、追い込み馬もしんどくなる…の戦略で勝負に出たのではないか。言うなれば“肉を切らせて骨を断つ”のことわざにあるように犠牲を惜しまずに放ったのが、あのハイペースの策だろう。
もう一頭のダービー馬ダノンデサイルは最終4角から伸び伸びと走れたわけではないが、それでも3着と格好はつけている。競馬のG1はその都度さまざまな顔を見せるもので、今年の大阪杯は強い馬をよりクローズアップさせる決着だった。(スポニチ本紙評論家)


