【香港QE2世C】ジョバンニ“追い風”乗る キャリア30年大久保助手が胸躍る初海外遠征「不安もなく」
2026年4月21日 05:30 JRA・G1シリーズの谷間となる今週は香港の一大イベント、チャンピオンズデー(26日、シャティン)が組まれている。今年もJRAが3競走の馬券を発売し、計6頭の日本馬が出走予定。クイーンエリザベス2世Cにジョバンニを送り出す杉山晴厩舎は先週、ロブチェンで皐月賞を制し、海を越えて2週連続G1獲りを期す。僚馬がつくったいい流れに乗って大舞台へ。担当スタッフを務める大久保勝徳助手(51)が熱く意気込みを語った。
頼もしい相棒と初めて海を渡った。ジョバンニを担当する大久保助手にとって初の海外遠征。キャリア30年のベテランであっても慣れないことはある。ただ、そこは厩舎の垣根を越え、チーム・ジャパンの精神が根付いているのがトレセンのいいところ。今回、関西馬はジャンタルマンタル、ジューンテイクを合わせて3頭。「トレセンの検疫厩舎に入った時から、周りに海外経験があるスタッフの方々がいて、一緒に作業に取り組めたので何の不安もなく調整を進められました」と笑みを浮かべる。また、ジョバンニ自身も厩舎の場所、馬房が変わっても戸惑う面はなかった。
一昨年ホープフルS2着、昨年は3冠皆勤(皐月賞4着、ダービー8着、菊花賞8着)を果たした。今季はAJC杯で始動。後手に回る厳しい展開で7着に敗れたものの前走金鯱賞はレースぶりがガラッと変わった。ゲート練習を積んだ効果でテンからスッと行き脚がつき、積極的な立ち回り。シェイクユアハートの強襲に屈したが鼻差2着と見せ場をつくった。「前走は勝ち運がなかった」と悔しそうな表情を浮かべながらも「スタートを決めて最後まで頑張った。休み明けを使って体の張りや毛ヅヤが良くなっていましたから。改めて力を証明できたと思います」と胸を張る。
前走後は宇治田原優駿ステーブル(京都府宇治田原町)で心身ともにリフレッシュ。帰厩後は順調に稽古を積み、遠征に備えた。「調子の変動が小さく、常に高いレベルで状態をキープ。検疫に入ってからもテンションは上がらず、カイ食いも良かった」と充実ぶりをアピールする。
決戦の地シャティンは3角過ぎからゴールにかけて下り坂。430メートルの長い直線が待ち構えている。「今までいろいろな競馬場で力を出しているし、2000メートルが一番、安定している。香港は雨期。スパッと切れる馬ではないから、切れるタイプの馬が(馬場が渋って)切れないような馬場になれば有利になるかなと思います」とイメージした。
16年開業の杉山晴師は昨年JRA61勝で2度目のリーディングを獲得した。先週は皐月賞(ロブチェン)を含む4勝の固め打ちで早くも今年22勝とし、リーディング首位に再浮上。チャンスがあれば積極的に海外へ。先月28日のドバイワールドCデーは2頭で臨み、ルガルがアルクオーツスプリント2着と好走した。大久保助手は「杉山先生の方針で普段から海外を視野に入れて馬づくりに取り組んでいます」と厩舎全体のモチベーションの高さを口にする。「トップクラスの馬がそろうけど遜色ない力はあると思っています。まだ重賞を勝っていないけど初めて勝つのが海外で、しかもG1なんてストーリーがあってもいいんじゃないですか」と意気込む。気持ちは高ぶりながらも気負いは一切ない。ベストの状態で送り出す。その一点に集中している。
◇大久保 勝徳(おおくぼ・かつのり)1974年(昭49)4月27日生まれ、滋賀県出身の51歳。最初に所属した栗東・坪憲章厩舎が17年2月末に解散を迎え、杉山晴紀厩舎へ。約30年に及ぶトレセンのキャリアで思い出の馬はスズカウラノス。11年秋の小倉でデビューし、17年暮れにラストランを迎えて通算79戦3勝。「ずっと一緒にいた馬でした」と懐かしむ。
≪豪の名手コレットが導く≫ジョバンニと初コンビを組むジェイソン・コレットはニュージーランド出身の34歳。オーストラリアのニューサウスウェールズ州(シドニー地区)を拠点に活躍し、22年に英国の国際騎手招待競走シャーガーカップに出場した。メトロポリタン(都市部)開催の勝ち星を競う豪リーディングは昨シーズン(24年8月1日~25年7月31日)82勝で5位。同州に限定すると74勝で2位に入った。カントリー(地方)開催を合わせ、同国で通算1300勝超えの腕利き。11日のシドニーC(芝3200メートル)は13番人気チェンジングオブザガードを勝利に導き、自身9度目の豪G1制覇とホットな話題もある。「香港で乗るのは初めて。いい経験になると思うし楽しみ」。テン乗りの相棒を、どうリードするのか注目だ。

