12年天皇賞・春 14番人気ビートブラックに栄冠もたらした石橋

2026年5月1日 05:20

石橋を背に12年の天皇賞・春を制したビートブラック(撮影・平松 さとし)

 【競馬人生劇場・平松さとし】5月3日に京都競馬場で行われるのが天皇賞・春(G1)だ。日本のG1では最長の3200メートル。歴代の勝ち馬を見ると、以前はメジロマックイーンやライスシャワー、マヤノトップガン、スペシャルウィークといった、他のG1を勝っていなければ手の届かない頂というレースだった。しかし昨今は、マイルや短距離戦が整備され、天皇賞・秋(G1)も2000メートルに短縮された影響で、スピード化に拍車がかかったためか、異質の長距離戦という傾向がある。それに伴い、イングランディーレやマイネルキッツ、ジャガーメイルなど、初G1や初重賞をここで射止める馬も多くなってきた。

 12年に盾を手にしたビートブラックも、そんな1頭。初の重賞勝ちを天皇賞・春で記録した。手綱を取ったのは石橋脩騎手だった。今では中堅からベテランの域にある彼だが、デビューからしばらくは重賞勝ちに恵まれなかった。1年目から25勝を挙げ、素質の片りんを見せていたものの、初重賞制覇は8年目の10年。コスモネモシンでフェアリーS(G3)を勝つと、その1カ月半後にはコスモセンサーでアーリントンCを制覇し、重賞2勝目を飾った。

 翌11年にも1勝すると、12年は2月から4月の間に東京新聞杯(G3)、フラワーC(G3)、ダービー卿CT(G3)を次々と優勝。その勢いのまま天皇賞でも好騎乗を披露した。圧倒的1番人気のオルフェーヴルが馬群に沈んだ(11着同着)のをよそに、2着に4馬身差をつけ、単勝万馬券の14番人気馬を栄冠へと導いてみせた。当時、彼は次のように語っていた。

 「勝てない間はいろいろと悩みました。でも、一つ勝てたことで何かが変わったのかもしれません。それがプレッシャーなのかは分かりませんけど…」

 さて、今年の天皇賞・春ではどんなドラマが待っているのだろうか。ビートブラックのような、あっと驚く番狂わせはあるのか。日曜は淀の3200メートル戦に注目したい。(フリーライター)

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