【天皇賞・春】池江泰郎氏 クロワデュノールこれぞ横綱相撲! 競馬の魅力が凝縮したレース

2026年5月4日 05:30

<京都11R 天皇賞・春> ハナ差でクロワデュノール(7)が制す(撮影・中村 与志隆)

 【池江泰郎 匠の解説】長い写真判定だったので「同着?」と思った人も多かったのではないか。写真判定の当事者や、馬券を握りしめているファンの顔が思い浮かぶようだった。

 日本人の持つ心情として2着馬ヴェルテンベルクに対して、また陣営に対して写真判定を待つ間に肩入れしたくなる気持ちは理解できる。なぜなら伏兵の身で横綱を倒しかけたのだ。「あそこまで迫れば勝ってほしかった」との声が関係者にも、ファンにも多かったと聞く。勝っていれば63歳の宮本調教師が初G1勝利だったことを知り、悲願がスルリと逃げたことに、競馬の神様は非情だと思ってしまう。

 順序は逆となったが、クロワデュノールはさすが王者!の一語。レースに隙が生じない。対戦相手に威圧感を与え、ファンには安心感を与えているとも表現できるのは王者だからこそ。道中の運びが象徴的で、ある程度のポジションを取って中団に待機。一方、3強を形成したライバルのヘデントールとアドマイヤテラは後方位置でここは騎手の思惑が感じられるものだ。長丁場のG1に似合う3~4角の流れはファンの興奮度にスイッチが入る瞬間で、そこから先の力強さはご覧の通り。これぞ横綱相撲といえる内容だった。

 アドマイヤテラは武豊君がイメージしやすい乗り方で3着。初タイトルこそ手にできなかったのは悔しいだろうが、外野の身として、身勝手にも早くこの馬の次の舞台を見てみたい、と思ってしまうほどに魅力がある。今年の天皇賞・春も競馬の醍醐味(だいごみ)が凝縮した素晴らしいレースだったと強調しておきたい。(スポニチ本紙評論家)

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