今週の特集

夏を越え飛躍“第2のキタサンブラック”出現へ若駒に注目

2026年7月3日 05:30

15年の菊花賞を制したキタサンブラック(左)(撮影・平松 さとし)

 【競馬人生劇場・平松さとし】4日に54歳の誕生日を迎えるのが清水久詞調教師だ。

 トウケイヘイローなど数々の名馬を育ててきた名伯楽だが、代表馬はキタサンブラックだろう。

 有馬記念などG1を7勝した名馬だが、最初からスーパーホースだったわけではない。デビューから3連勝でスプリングS(G2)を制したものの、続く皐月賞(G1)は3着。さらに日本ダービー(G1)では14着に敗れた。それも6番人気という支持であり、決して高い評価を受けていたとはいえなかった。

 父はブラックタイド。ディープインパクトの全兄だったが、母シュガーハートの父は快速スプリンターとして名をはせたサクラバクシンオー。そんな血統背景から、ダービーでは距離不安がささやかれたのだ。

 しかし、清水久師は当初から一貫してこう語っていた。

 「ダービーの敗因は距離というよりも、当日激しくイレ込んでしまったこと。キタサンブラック自身の走りを見る限り、距離は問題ないと思っています」

 その後、清水久師と厩舎スタッフは一丸となり、いかにリラックスして走らせるかという課題に取り組んだ。夏場の休養期間を利用した教育が実を結び、秋には3000メートルの菊花賞(G1)を優勝。それどころか古馬になった後は3200メートルの天皇賞・春(G1)を連覇するほどの活躍を見せた。

 「自分としては終始一貫して“距離は大丈夫!!”と話していました。何とか結果を出すことができて、良かったです」

 清水久師が笑みを見せてそう語っていたのが忘れられない。

 さて、今年はロブチェンが春の2冠を制し、牝馬ではジュウリョクピエロがオークスを優勝するなど、大きな話題を集めた。彼らが秋もこのままの勢いを維持するのか。それとも、かつてのキタサンブラックのように夏を越えて一気に飛躍する上がり馬が現れるのか。若駒たちがこの夏をどう過ごし、どのような成長を遂げるのか。その動向にしっかりとアンテナを張って見守りたい。(フリーライター)

特集

2026年7月3日のニュース