【新潟新馬戦】良血チェスティーノ 母譲りのバネ魅力 鹿戸師の元で師匠“藤沢流”育成

2026年8月25日 05:25

お母さん似に映る馬体のチェスティーノ

 衣鉢を継ぐという。弟子が師匠の業績を受け継いだり、奥義、極意を授けられること。禅宗の大師が弟子に仏法を伝えた証として大切な法衣(衣)と食器(鉢)を与えた故事に由来する。大切な血統と調教法を師匠から受け継いだ弟子はどんな思いでその血統馬を管理するのか。

 「藤沢先生の血統を預けてもらえて、とてもありがたい。それだけ期待されているということだし、結果で応えたい。重責も感じます」。鹿戸師はチェスティーノの首差しに熱中症予防の氷マフラー(ネッククーラー)を巻き付けながら口火を切った。騎手時代に師事した藤沢和雄元調教師の厩舎に所属し、フローラS圧勝、オークス2着と力走したチェッキーノの5番子。半姉チェルヴィニアは牝馬2冠、半兄ノッキングポイントは新潟記念を優勝した。「凄い血統。もちろん、やりがいもあります。ただ、特別扱いして力を入れ過ぎると、ろくなことにならない。馬の体調、成長度合いと相談しながらやっていきたい。それも藤沢先生に教わったことです」

 鹿戸師自身が手がけたエフフォーリアの産駒だが、470キロ前後の体重以上に薄めに映る馬体はお母さん似。跳びが奇麗でバネの利いた走りも母親譲りだろう。それでいながら、競走馬時代の母のような気負いは見られない。厩舎の年長馬を相手に、かつて藤沢師匠から叩き込まれた馬なり調教を重ねてきた。「基礎体力はあるから走る馬と併せていますが、気性がまだ子供だし、動きもまだまだ物足りない。何しろ、求められているものが高い血統ですから。もちろん、素質は持っています」

 心頭滅却すれば火もまた涼しとは禅の極意である。禅宗の大師から衣鉢と極意を継いだ弟子のように、藤沢師匠の血統と調教法を受け継いだ鹿戸師。座禅を組めない馬には氷マフラーの工夫で夏のデビュー戦に送り出す。首頭冷却すれば夏の調教もまた涼し。

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