【スプリンターズS】スターアニス 坂路11秒8“一番時計” 19年ぶり3歳牝馬V視界「負けたくない」

2026年9月24日 05:30

坂路を単走で追い切るスターアニス(撮影・中辻 颯太)

 快速王を決める秋のG1開幕戦「第60回スプリンターズS」の追い切りが23日、東西トレセンで行われた。栗東では今年の桜花賞馬スターアニスが坂路でラスト1F11秒8の好時計をマークし、出色の切れ味を見せつけた。未勝利戦V以来、約1年2カ月ぶりの6F起用でG1・3勝目を狙う。3連勝中のフリッカージャブも坂路で力強い伸び。スプリント界の新星が勢いに乗り、G1に初挑戦する。

 春より精悍(せいかん)になった3歳牝馬スターアニスが肢体を躍動させたのは2本目の坂路。15秒1→14秒4→12秒9と1Fごとに加速すると、ラスト1Fはこの日の一番時計で自己最速タイでもある11秒8。出色の動きに高野師も自然と笑みがこぼれる。「1週前に(新コンビの)ルメール騎手にまたがってもらって、非常に感触が良かった。それを経て日々のルーティンワークからも状態の上昇度を感じた。今朝は負荷をかけるとかは考えず、無理せずに」。桜の女王は秋初戦に向けて、青写真通りに磨き上げられた。

 世代限定戦の秋華賞ではなく、古馬を交えたスプリント戦を選択。指揮官は「前進気勢豊富な気性や血統を考慮すると、現状は1200メートルの方がいい走りをするんじゃないか」と真意を明かす。その上で、「スピードもスタミナも全て含めた総合力で勝負できる馬。まさにグランアレグリアは1200メートルから2000メートルのG1でも活躍した。スターアニスもそうであると信じている」と言葉を紡ぐ。

 桜花賞を2着に0秒4差以上つけて優勝した馬はグレード制導入の84年以降、スターアニスを含めて8頭。15年レッツゴードンキはのちにスプリントG1で3度2着に好走し、19年グランアレグリアは翌20年にスプリンターズSを制覇した。さかのぼれば、92年ニシノフラワーは同年に当レース優勝。しかも、当時2400メートルだったエリザベス女王杯(3着)からの臨戦だった。圧勝の桜冠はスピードの絶対値の裏付けになる。

 「この馬が出るレースは負けられない、負けたくないという気持ち。ファンの皆さまは“2400メートルからいきなり1200メートルでどうなの?”と思われているかもしれないが、私としては問題なく走ってくれる、大丈夫だ、と踏んでいる」

 師の揺るぎない信頼の根源には、メンバー唯一であるG1・2勝の実績がある。「やはりG1は特別。凄い馬しか勝てない。それを2つ獲っているのだから」とスターアニスの評価には疑念を差し挟まない。初めての古馬との対決、乗り替わり、距離も半減。それでも、桜の女王は惑わない。

 ≪90年のG1昇格以降では3歳牝馬の優勝は2頭だけ≫スプリンターズSはG1に昇格した90年以降、3歳馬は【6・3・3・73】の成績で、そのうち牝馬は【2・1・1・29】。当レースが12月開催だった92年には阪神3歳牝馬S(現阪神JF)と桜花賞のG12勝馬ニシノフラワーがV。同馬もオークスは7着に敗れていたが、2歳時以来だった1200メートル戦で巻き返した。スターアニスが勝てば07年アストンマーチャン以来の3歳牝馬Vとなる。

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