黄門 頼もしい!胴々ドーバー/マイルCS
2008年11月19日 06:00 「第25回マイルCS」(23日)の馬体診断で“美浦黄門”こと境勝太郎元調教師は、富士S4着からの臨戦となるエイシンドーバーを1位指名した。馬体採点は3着に好走した安田記念時の44点から47点にアップ。黄門お薦めの魅惑の穴馬だ。
黄門 立ち姿りりしいブルーメン/マイルCS
マイル戦線は以前と比べると、本当にレベルが上がりました。世界的なスピード化の流れを受けたものですが、ひと昔前は中長距離よりも一枚落ちるというイメージだったもの。時代の流れを感じます。繁殖としての価値も上がったため、必然的に現役馬の層も厚くなっている。勝つのが難しくなったのは確かでしょう。
今年のマイルCSに関しても抜けた馬はいないものの、高いレベルできっ抗しているという感じ。馬体診断の点数もギュッと接近したつけ方になりました。その中で、わずかの差で最高評価となったのがエイシンドーバー。馬体の充実度はこの馬が一番と映ります。
最も強調できるのは筋肉が極めて柔らかそうな点。必要な部分だけにたっぷりついており、全体として丸みを帯びたシルエットになっている。どっしりとして幅のある腹回りは心肺能力の高さの証。肌の張りや毛ヅヤも申し分ありません。
実は、今春の安田記念(3着)時も前肢部分の迫力あるつくりを褒めたもの。当時よりもトモ(後肢)がパワーアップしたことで、全体のバランスがグンと良くなった。6歳ということでベテランの域に入っていますが、今が充実期というムードが漂います。
秋初戦の富士Sは最後に伸びを欠いて4着止まりでしたが、休み明けでの長距離輸送が響いたのか馬体減(8キロ)での出走。ふっくらとした今の馬体を見る限り、今回は全く違う出来で臨めるはずです。輸送が短い京都芝に替わるのも大歓迎。狙って面白い1頭だと思います。(スポニチ本紙専属評論家 元JRA調教師 境勝太郎)