有終Vキストゥ!交配相手はチチカステナンゴ最有力
2009年3月16日 06:00 「第27回中山牝馬S」は、キストゥヘヴンが引退戦をVで締めくくった。横山典弘騎手(41)は重賞騎乗機会4連勝で武豊の最多記録にあと2と迫った。
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さまざまな思い出が脳裏を駆けめぐったのだろう。愛馬キストゥヘヴンを出迎えた戸田師は、感極まって涙ぐんだ。06年桜花賞馬がラストランで重賞4勝目。師は「よく頑張ってくれた。頭が下がる思い。有終の美を飾れて感無量です」と感謝の言葉を並べた。
劇的なフィナーレを演出したのは、またまた横山典だった。道中は好位につけ、直線は最内を強襲。56・5キロのトップハンデをものともせず、ピンクカメオとのG1馬2頭の一騎打ちを制した。15日終了現在、35勝でリーディング首位を独走中の横山典は「4角でザレマの内にいったときは凄い手応えだった。やっぱりG1馬だよ」と称賛。自身は重賞騎乗機会4連勝となったが「いい馬に乗せてもらっているんでね」とキスに主役の座を譲った。
01年に開業した戸田師にとって、生涯忘れられない馬となるに違いない。この日と同じ中山芝1800メートルの06年フラワーCで自身の重賞初制覇、桜花賞ではG1初Vも果たした。その後は不振に陥ったが、07年夏に米G2キャッシュコールマイルに挑戦(4着)。調教で相性の良さを感じたポリトラックコースが、同年秋に美浦にできたことが復活のきっかけになった。昨春はG1馬ながらヴィクトリアMへの出走がかなわず、出走順位決定方式についてJRA側へ問題提起も行った。「桜花賞を勝ったころは開業間もないころで、すべてが完ぺきではなかったが、いろいろな経験をさせてもらった」と師。今年のダービー候補ブレイクランアウトなど、今では有力馬を多く抱える厩舎の礎を築いたのがキスだった。
今後は北海道の白老Fで繁殖牝馬になる。初年度はチチカステナンゴとの交配が最有力。「しっかりケアしてから牧場に帰してあげたい。いい子を産んでくれればうれしいですね」。2世への期待を口にする師の表情は、どこまでも優しかった。
▼キストゥヘヴン 父アドマイヤベガ 母ロングバージン(母の父ノーザンテースト)牝6歳 美浦・戸田厩舎所属 馬主・吉田和子氏 生産者・北海道日高町正和山本牧場 戦績27戦5勝 総獲得賞金3億3971万2500円。主な勝ち鞍は06年桜花賞、06年フラワーC、08年京成杯オータムハンデ。