【天皇賞・春】マイネルキッツ連覇へ貫禄の脚さばき
2010年4月29日 06:00 栗東では連覇を狙うマイネルキッツが貫禄の脚さばき。出走18頭中、唯一のG1ホースが、ライバルの挑戦を受けて立つ態勢を整えた。
唯一のG1馬マイネルキッツは最終調整で持ち前の闘争心を発揮した。CWコースでロードイノセント(4歳1000万)との併せ馬。内を回り馬体を並べて直線へ。手応えはやや劣勢に映る。しかしゴールが近づくにつれ盛り返し、わずかに先着した。昨年のこのレース、アルナスラインとの併走態勢で闘志に火がついた姿を連想させた。引き揚げてきた様子を確認し、国枝師は満足顔だった。
「特に調教でガンガン動くタイプじゃない。いい雰囲気で追い切れた。はつらつとしているし、息の入りも問題ない。いい状態で臨める」
不安を一掃したと言えそうだ。日経賞後、ちくのう症の診断を受けたものの、投薬治療で症状は消えた。
「根本的に治ったかどうかはわからないけど症状は見られない。(症状があっても)見た目の問題だけで獣医から“競走能力に影響はない”と聞いている」
思わぬアクシデントで栗東入厩は当初の予定より1週間遅くなった。それでも昨年の天皇賞春、宝塚記念時に計1カ月間、当地で過ごした経験が生きている。環境への順応は早かった。ゴールデンウイーク期間中の交通渋滞を避けるという目的は十分に遂げた。
状態に不安がなければ指揮官が連覇を意識するのは当然だろう。前走が59キロの重い重量を背負いながら鮮やかなイン強襲V。勢いを取り戻したのは間違いない。
「天皇賞後は常にトップクラスで走り善戦しても、なかなか勝てなかった。でも前走は実が入って雰囲気がいいと感じていた。去年の勝利がフロックでなかったことを証明したい」
2度の坂越えはまさに地力を問われる消耗戦。過去の優勝馬は2度目以降の挑戦で【3502】の好成績を残している。キッツがタイトルホルダーの貫禄を示す。