【AR共和国杯】ジョーダン重賞初V!レコードでG1へ弾み
2010年11月8日 06:00 G1を見据える「第48回アルゼンチン共和国杯」は三浦皇成(20)と初コンビを組んだ1番人気トーセンジョーダン(牡4=池江寿)がトップハンデ57キロを克服して重賞初V。勝ち時計2分30秒0はレースレコード(従来は08年スクリーンヒーローの2分30秒8)でG1挑戦に弾みをつけた。
ゴール後、2度高々と振り回した右手に三浦の思いが凝縮していた。1番人気トーセンジョーダンで完勝。序盤は中団インで脚を温存。向正面で後続を確認し、徐々に外に持ち出していった。直線は迷うことなく外へ。こん身のムチを振るうと、グイグイ伸びた。2着ジャミールに1馬身3/4差。初コンビとは思えない騎乗ぶりの三浦は感無量だった。「僕自身、いろいろアクシデントもあって、苦しい1年でした。そんな中でいい馬に乗せてもらって…。返し馬から状態の良さは伝わってきたし、馬の力を信じて乗った」
昨年8月関屋記念(スマイルジャック)以来、1年3カ月ぶりの重賞3勝目。年初の1月11日の中山では自らの進路妨害でJRA史上最多9頭の落馬事故の原因をつくった。2月小倉大賞典(マイネルスターリー)は斜行で再び騎乗停止の試練。それでも、デビュー年の08年に武豊を上回る91勝を挙げた“次代のエース”は逆境も財産に変えた。
馬も試練を打破した。裂蹄による2度の長期休養を乗り越え、つかんだ重賞初タイトル。池江寿師は「久々の重賞で57キロは厳しいと思っていた。馬も力をつけていたし、皇成君も馬を研究してうまく乗ってくれた。立て直した牧場スタッフにも感謝しています。失ったものをこれから取り戻したい」と力強く語った。
今夏函館で復帰後、3連勝。次の目標は一度はあきらめかけたG1制覇だ。週中、熱愛が伝えられるタレントのほしのあきから“交際宣言”も飛び出したが、三浦は目前の仕事に集中。「まだG1を勝ったことはないんですが、心配を吹き飛ばしてくれるほど強かった。GIに向けいい競馬ができたと思う」と目を輝かせた。今後は有馬記念(12月25日、中山)一本に絞る公算が大きい。「オーナーと相談しますが、中2週続きで東京のジャパンCとなると…。長く脚を使えるので中山は合うし、有馬一本がいいのでは」と指揮官。ジョーダンの挑戦はさらにヒートアップしていく。
◆トーセンジョーダン 父ジャングルポケット 母エヴリウィスパー(母の父ノーザンテースト)牡4歳 栗東・池江寿厩舎所属 馬主・島川隆哉氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績11戦6勝 総獲得賞金1億6573万8000円。