【みやこS】トランセンド“圧逃”の重賞V2!

2010年11月8日 06:00

<京都競馬11R・みやこS>軽快に逃げ切ったトランセンド

 京都の新設重賞「第1回みやこS」は2番人気トランセンド(牡4=安田)が逃げ切り。昨夏のレパードSに続く重賞2勝目で“新設重賞ハンター”の面目躍如となった。

 持久力にモノを言わせた逃走Vだ。トランセンドは2番枠から好スタートを決めると、藤田が手綱をしごいて迷わずハナへ。前半1000メートルを1分0秒6の平均ペースで通過すると、そこから12秒4、12秒0と加速。これで2番手集団は苦しくなった。4角で後続を突き放すと、外から伸びたキングスエンブレムに1馬身1/4差をつけ、悠々とゴールを駆け抜けた。
 「先生から“強引な競馬をしてみろ”と言われていた。ここでは力が一枚上だし、まじめに走れば勝てると思っていた。直線に向いても脚が残っていたから後ろは気にならなかったね」
 前々走から手綱を取り、2戦連続2着と悔しい思いをしてきた藤田は、ホッとした表情でレースを振り返った。安田師にも格別な1勝だ。4月のアンタレスSで1番人気を裏切る8着…。レース後、なぜ負けたのか分からずに悩んだ。行き着いた結論は「強引な競馬をした方がいい」。そして選んだ「逃げ」の道だった。「凄く収穫があったね。淡々とこの馬のペース。上がりは36秒9?凄いね。これで大きいところに出られる」。狙い通りのレース運びで勝利をつかみ、指揮官も満面の笑みだ。
 “初物キラー”の称号も付いてきた。これが2つ目の重賞制覇だが、昨年のレパードSに続く新設重賞ジャック。藤田も「第1回に強いんじゃないの」と笑みを漏らした。次走はG1初挑戦となるJCダート(12月5日、阪神)だ。強豪はそろうが今の勢い、そして何より「初物」に強いことを考えれば、再びの圧逃劇も夢ではない。

 ◆トランセンド 父ワイルドラッシュ 母シネマスコープ(母の父トニービン)牡4歳 栗東・安田厩舎所属 馬主・前田幸治氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズマネジメント 戦績13戦6勝(うち地方1戦0勝) 総獲得賞金1億7674万4000円。

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2010年11月8日のニュース