【天皇賞・春】池添、闘志「しっかり乗ってみせる」
2012年4月27日 06:00 「第145回天皇賞・春」の枠順が26日、確定した。ターフライター・平松さとし氏がレースのキーマンに迫る「The Keyman」は、オルフェーヴルの池添謙一騎手(32)を直撃。試練の大外18番を乗り越え、5冠達成なるか?
――オルフェーヴルの前走(阪神大賞典2着)前の雰囲気は?
池添 いつもよりカリカリしている感じでした。行きたがると思ったし、そうなれば我慢比べになると覚悟して臨みました。
――スタートは普通に出た。
大外だったので枠入りも最後。待たされることなくゲートが開いたのでスッと出ました。
――スローの流れでした。
はい。そのため馬群が一団となったので中に入れることができませんでした。
――もし馬群に入れられたら落ち着いた?
だと思います。ただ、レース前に池江先生から「今回は無理に抑えず普通の競馬を」と言われていたので、中に入れることは意識せずに走らせました。
――無理に抑えないというのはなぜ?
前々走(有馬記念1着)はスローペースでしたが抑える競馬で勝ちました。ただ、大目標としている凱旋門賞は、ああいう形では勝てないので、普通の競馬をさせようということになりました。
――そのため、かなり行きたがった。
最初のコーナーで腕がパンパンになるくらい掛かってしまいました。
――ナムラクレセントが意識的にかわしていったため、余計に掛かったように見えました。
ナムラにかわされてから一段とガツンときたのは確かです。でも(ナムラの鞍上の)和田さんは馬体をこするようなこともなく、間を開けて慎重にかわしてくれました。
――3コーナーでは逆手前(軸脚)のまま逸走しそうになった。
馬体を併せると掛かると思ったから、あえて内外を離していたのですが、そのため1頭になり、一気に外へ行ってしまいました。
――後方まで下がり、競走中止も覚悟した?
圧倒的人気を背負っていたのに申し訳ないとは思いましたが、落馬してケガをさせるわけにはいかない。正直、覚悟しました。
――しかし、そこからハミをとり直して再び進出。
4コーナーではもう先団に取り付きました。あらためて凄い馬だと思いました。
――直線ではササッた。
あんな形になったので僕が慌てて外から叩いてしまいました。元から少し内へ行きたがる面がある馬なので、あれは僕のミスです。
――結果は2着。
いったんは先頭に並ぶシーンがありました。あの形で2着まで巻き返すのだから恐ろしい馬です。
――調教再審査は一発でパス。
再審査するコース(Eダート)には6回も入れて慣らしました。そのたびに進歩を感じさせる走りをしてくれました。
――メンコ(耳覆い)も効果があった?
はい。最初はメンコをしないでコースに入れたら暴走しそうになりました。効果は大きいと思います。
――最終追い切りの手応えと抱負を。
追い切りは1週前、直前共に良かったです。前走で多くの方に迷惑を掛けてしまったので、今回はしっかりと乗ってみせます。