【セントライト記念】大久保洋師 ドーベルの孫と挑む最後の秋
2014年9月17日 05:30 【東西ドキュメント・美浦=16日】サラブレッドの3歳夏をまたいだ数カ月は人間の数年間にも匹敵する。「たくましくなっただろ?後肢もかなりしっかりしてきたな」。南馬場の馬だまりを回るショウナンラグーン(セントライト記念)に大久保洋師が頼もしげな視線を注いでいる。「最後のクラシック?長距離でこそと思ってきた馬だから菊花賞は当然、勝負だ。始動戦からある程度仕上げていく」
来年2月で70歳定年を迎える同師が自ら育てた名牝メジロドーベルの孫で挑む最後の秋競馬。ダービー(6着)後の3カ月半はドーベルの夏の過ごし方を踏襲した。自厩舎で調整し、7月上旬から猛暑を避けて函館競馬場へ。8月下旬まで追い切りを重ねて美浦に戻した。秋へ向けた周到な備え。「春は後肢が甘くて出脚がつかなかったが、今ではゲートから出していける。梅崎さん、先週のゲート調教見なかったの?」と笑顔を向ける同師。3歳夏を越した成長の証である。