【天皇賞・春】キタサンブラック 追い風1番枠、過去5年3連対

2016年4月29日 05:30

雨の中、厩舎の周りを運動するキタサンブラック

 伝統の古馬長距離王決定戦「第153回天皇賞・春」の枠順が28日、確定した。昨年の菊花賞馬キタサンブラックは過去5年で2勝、2着1回(3連対)と好成績の1番枠をゲット。2度目のG1制覇に向け、強力な追い風だ。
【天皇賞・春】

 昨年の菊花賞馬キタサンブラックが最良の1番枠をゲットした。過去10年では12年ビートブラック(14番人気)、昨年ゴールドシップ(2番人気)の2頭が優勝し、2着1回(13年トーセンラー)で3連対。同じ「白帽」の1&2番枠に範囲を広げれば、優勝4回、2着1回、3着2回と大活躍。ブラック自身も1番枠は、昨年3月スプリングS(中山)で重賞初制覇を飾った思い出の馬番だ。

 栗東の出馬投票所で確認した清水久師は「枠はそれほど気にしてなかったけど、この辺りに入るよりはいいでしょう」と出走表の外寄りを指で差した。さらに報道陣から、近年の天皇賞・春は内有利の傾向を伝えられると「こんなに、内枠が来ているんですか!!」と思わずニンマリだ。

 これだけ距離が長ければ枠は一見無関係にも思えるが、外枠の馬は内に入れないまま、距離ロスを生じることも多い。また外枠だと前に壁をつくれない分、行きたがって掛かる恐れも。その点、1番枠なら経済コースを走れる。ましてブラックは自分で競馬を支配できる機動型。指揮官は「(清水久厩舎に在籍した逃げ馬の)トウケイヘイローなら大喜びの枠でしょう。もちろん、他が行かないようなら逃げてもいい。ただ菊花賞のように差すレースもできる馬。そのあたりはジョッキーに任せます」と“平成の盾男”と呼ばれる武豊に全権委任した。天皇賞・春だけで6勝もしている名手。仕掛けどころは他の誰よりも熟知している。

 状態も万全だ。休み明けの大阪杯(2着)を叩き、着実に上昇カーブを描いている。27日の最終追いはパートナーに遅れる形になったが出来はお墨付き。「最後に並んでやめていたけど、この馬は力の出しどころを分かっている。調教とレースは違う。実戦型なんでしょう。だから、何も心配していない。本当にいい状態」と胸を張った。

 暮れの有馬記念(3着)は初の古馬相手に果敢に逃げ粘り、G1馬5頭が集結した豪華版G2の大阪杯でも存在を誇示した。「この馬はあらゆる初条件を全てクリアしてきたから」。清水久師は愛馬に全幅の信頼を寄せる。初挑戦の3200メートルは当然打破する。日曜の京都は昨秋の菊花賞と同じ晴天予報。菊の再現舞台が着々と整いつつある。

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