【マリーンS】ユラノトで松田師説く「走らせないよう…」とは

2018年7月4日 05:30

 【東西ドキュメント=函館・3日】ユラノト(マリーンS出走)の動きを追う松田師が禅問答をするような口調で静かに説いた。「走らせないようにするのが調教師です」。コイウタ(07年ヴィクトリアマイル)の子をなぜ芝のレースに使わないのか?梅崎の質問に対する回答だった。「おそらく芝だと走り過ぎる。短期間でオープン馬にしようとしたら壊れちゃう。だからダートなんです」。喉の手術を受けるなどしてデビューは3歳春。飛びっ切りの素質を持ちながら虚弱さが抜けない。ダート戦に専念してデビューからわずか7カ月でオープン入りさせた。

 脚に負担のかかる芝を避ける代わりに課してきたのは“マツクニ”流のハード調教。Wコースで追い切り日も含めて毎日2周。「1周が普通だが、それでは重賞は狙えない。長めに乗り込んで鍛えに鍛える。その分、メンテナンスもしっかりやる。これがスポーツの神髄です」。梅崎が同師を取材するのは02年スプリングS(タニノギムレット)以来だが、マツクニ節は健在。67歳の調教師は老師の禅問答のように同じ言葉を繰り返した。「走らせないようにするのが調教師」。

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