オジュウ 有馬は武豊OK!騎乗停止期間“間一髪セーフ”
2018年12月7日 05:30 競馬界史上初の平地&障害G1制覇へ、夢の扉が開いた。10万票の大台突破で有馬記念出走を決めたオジュウチョウサン。昨年の最終得票数1278票(77位)から9万9000票超も上乗せし、過去にファン投票1位に選出されたテイエムオペラオー(01年)、オルフェーヴル(12、13年)、ゴールドシップ(14年)ら歴代の名馬を超える投票数。長山尚義オーナーが「ありがたい数。前例のない“二刀流”を実現させてくれたのもファンあってのもの」と喜べば、管理する和田正師も「凄いですね。人気を再認識しました」と最敬礼した。
現役障害最強馬のグランプリ参戦。注目度の高さは集票効果も生み出し、昨年は10万票超えが1位のキタサンブラック(12万4461票)だけだったが、今年は上位3頭が10万票超え。有効投票数は152万485票で対前年比109・7%(昨年は138万6468票)の大幅増となった。
そして、二重の意味で胸をなで下ろしたのが騎乗予定の武豊だ。5日の香港国際騎手招待競走で他馬の進路を閉めたとして騎乗停止処分を受けたが、この日のJRA裁定委員会の議定で日本での騎乗停止期間は26〜29日と決定。有馬記念でのコンビ継続に支障がなくなり、「(ファン投票で)改めて人気のある馬だと思った。オーナーサイドから有馬記念が最大の目標と聞いてきたし、厳しい(戦いになる)のは当然分かっているが、夢がある」と話した。
平地G1馬との初対決を楽しみにしているのは和田正師も同じだ。「(ジャパンCの)アーモンドアイ(2分20秒6)と5秒も違う」と同条件(東京芝2400メートル)で行われた前走・南武特別の勝ち時計2分25秒0と比較しつつも、「底知れない力を出すときがある馬。平地で2戦して慣れや上積みがあるし、今回はもう一段上の仕上げができると思う」。長山オーナーも「今回の対戦で、オジュウが(レイデオロなど)ダービー馬より上か下か、試すことができる。一般的には下の立場だが、上の可能性もある。それだけの力を感じる馬」と不敵な笑みを携えた。
≪テレビ取材続々≫この日、オジュウチョウサンのもとには「NHKニュース おはよう日本」のテレビクルーが来訪。同番組には昨年、一大ブームを起こしたG1・7勝馬キタサンブラックも取り上げられている。レースを控えた21日の同番組内(午前4時30分から同8時)で放送予定で注目は高まる。長沼厩務員は「一時はビリを走っていた馬がここまでに。スポーツの枠を超えて凄いということで取材依頼が来た」と驚きを隠せない。ほかにもBS・NHKは来年1月19日にオジュウ特番を放送。TBSのドキュメンタリー番組「バース・デイ」の収録も現在進行中と取材の波は引きも切らない。