【香港】国境を越えた武とルメールの戦いに目が離せない
2018年12月7日 05:30 【競馬人生劇場・平松さとし】現地時間5日夜、香港・ハッピーバレー競馬場でインターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップが行われた。日本ではワールドオールスタージョッキーズシリーズというイベントがあるが、香港版のそれと同様の企画。世界各国を代表するジョッキーが招かれ、4つのレースの着順に応じたポイントで覇が競われる。
地元のZ・パートン騎手やヨーロッパから呼ばれたR・ムーア騎手らと共に、日本から招待されたのは2人。前人未到のJRA4000勝を達成した武豊騎手と、今年、その武豊騎手以来となる年間200勝を達成したC・ルメール騎手だ。結果は2人とも騎乗馬に恵まれず、勝負圏内には入れなかったが、その存在感を随所に示していた。
現在49歳の武豊騎手は出場騎手の中でも最年長。アメリカ代表のJ・カステリャーノ騎手は言う。
「ユタカは僕が尊敬するジョッキー。いつまでも現役で素晴らしい騎乗を見せてほしい」
また、香港の若手で今回初選出となったV・ホー騎手は次のように語った。
「ユタカさんの騎乗は何度も見ています。僕の憧れなので今回、どこかで話す機会があれば良いけど、ドキドキして話せないかもしれません」
当の武豊騎手はルメール騎手をつかまえ、笑いながら言う。
「なぜ、日本の代表ですか!?」
言われたルメール騎手は次のように答えた。
「日本は僕の第二の故郷です。今回、日本の代表として出られたことをとてもうれしく思います」
今週末は武豊騎手が阪神JF(G1)でシェーングランツに騎乗、ルメール騎手は香港に残り、かの地の国際レースである4つのG1全てに騎乗。帰国後は武豊騎手のJRA年間最多勝記録に挑むことになる。
国籍こそ違え、同じ土俵で勝負する2人のトップジョッキーの熱き戦いに、これからも注目したい。