【大井・東京盃】菜七子に重賞勝たせた!Dr.コパ有言実行「100点満点」

2019年10月3日 05:30

東京盃を制し、小林祥晃オーナー(左)と握手を交わす藤田菜七子(撮影・島崎忠彦)

 有言実行だ。「菜七子に重賞を勝たせる」と言い続け、愛馬コパノキッキングとの年内コンビ継続を公言していたDr.コパこと小林祥晃氏(72)の夢がついに成就した。人馬の次走はJBCスプリント(11月4日、浦和)が最有力。“勲章が人を変える”という信念を持つ同氏が菜七子のさらなる夢をバックアップする。 ウイナーズサークルで喜ぶコパ氏に観客席からも祝福の声が飛んだ。「本当に良かった。ずっと“次は勝つ”と言ってきて、今日も負けたらまたオオカミ少年と言われるところだったから…。良かった、良かった」と感慨深げに語った。

 「デビューから成長した面を見てきて何か一つ勲章を得てもらいたい。今年は彼女にとっての“名誉元年”」。重賞を勝てば、騎手としてさらに進化できる。「彼女のターニングポイントになれば」と親心で今年2月のフェブラリーSから重賞勝ち馬キッキングとコンビを組ませ、年内コンビ継続を公言した。しかし、結果が伴わず3連敗。それでも愚直に努力を続ける菜七子を信頼した。「風水的にキッキングも菜七子も今日は抜群に運気が良かった。いつもはレース前に乗り方の指示をするけど、“好きに乗りなさい”と伝えました」。ラッキーアイテムという赤のリボンだけを託してレースを見守った。

 “菜七子に勲章を”。信念はついに実を結んだ。菜七子とキッキングは好スタートから思い切った逃げを打ち圧勝。「(村山)調教師には“逃げてもいいですか?”と聞いていたみたいだし、スタートも出たから(ハナに)行きましたね。100点満点の最高の騎乗をしてくれた」と4度目のコンビでVに導いた菜七子を称賛した。

 次走は連覇が懸かるカペラS(12月8日、中山)を予定していたが、「JBCスプリントに行っちゃおうかなと思っている」とフェブラリーS以来となるG1挑戦への軌道修正に言及。同レースには、歌手・北島三郎(82)のキタサンミカヅキ、「TUBE」前田亘輝(54)のノブワイルドも出走する可能性が高い。「2頭をやっつけないとね。ミカヅキには(東京スプリントで)負けているし、“芸能人対決に弱い”なんて言われないように」とジョークも飛び出した。“菜七子に重賞を勝たせる”と言い続け、実際にかなえた有言実行のオーナー。今度はG1の頂に菜七子を導くかもしれない。

 ▼古内一絵(作家、著書に女性騎手が主人公の「風の向こうへ駆け抜けろ」、「蒼のファンファーレ」)菜七子騎手、本当におめでとうございます!初めてお会いしたのはデビュー2年目の17年。その時も精神面の強さを感じましたが、今はそれ以上。「ゲートは馬の仕事」など、ご自分の意見をはっきりと口にされるようになりました。これは自信の表れで、G1挑戦や海外遠征をしっかり糧にされてきた証でしょう。改めて私の小説の主人公・芦原瑞穂と菜七子騎手は芯の強さ、負けん気の強さが本当に似ているなと思います。でも、このままだと瑞穂は完全に菜七子騎手に置いていかれてしまいそうです。小説の先を行くご活躍をお祈りしております。 

 ◆Dr.コパ(どくたー・こぱ、本名小林祥晃=こばやし・さちあき)1947年(昭22)5月5日生まれ、東京都世田谷区出身の72歳。日本大学理工学部建築学科卒。1級建築士、神職、愛知工業大学客員教授。Dr.コパとして風水・家相を用いた開運術の第一人者。01年に馬主資格を取得。「コパノ」「ラブミー」などの冠名の競走馬を所有し、代表馬に14、15年のフェブラリーSを連覇するなど史上最多となるJRA&地方交流G111勝を挙げたコパノリッキー。今年7月1日に銀座に「ラウンジ・クラブ新三宅」をニューオープン。著書は新刊「Dr.コパの<2020年版>貼るだけ風水」(発刊・主婦と生活社)など多数。

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