【根岸S】アスコット“クロフネ再来”二刀流V!初挑戦芝G1馬では19年ぶり

2020年2月3日 05:30

<根岸S>ダート初挑戦で快勝したモズアスコット(中央)(撮影・郡司 修)

 真の“砂&芝二刀流”が誕生だ!!冬の東京開幕を飾るダート重賞「第34回根岸S」が2日、東京競馬場で行われた。通算20戦目でダート初挑戦となった3番人気モズアスコットが一気差し。ダート初挑戦で同重賞初Vを飾り唯一のG1馬(18年安田記念)の役者の違いを見せつけた。この勝利で優先出走権を得たフェブラリーS(23日、東京)で芝&ダート双方G1制覇の偉業に挑む。京都メイン「第25回シルクロードS」は後方から突き抜けた3番人気アウィルアウェイが念願の重賞Vを達成した。

 これがG1馬の底力だ!!初のダート挑戦も何の。モズアスコットの格は一枚も二枚も上だった。唯一ヒヤリは1馬身出遅れた瞬間だけ。すぐ中団に取りつき、直線は粘るコパノキッキングを一瞬で抜き去った。G1初Vを飾った18年6月安田記念以来、実に609日ぶりの白星。昨春マイラーズC7着以来、騎乗したルメールは心底喜んだ。「モズアスコットで久しぶりに勝てて凄くうれしい。ゲートで座っていいスタートは切れなかったけど、すぐハミを取って楽に流れに乗れた。初ダートは気になったけど、最後はいつも通りに長く脚を使ってくれたよ」

 先に芝G1を制した馬でダート重賞初挑戦&初Vはクロフネ(01年武蔵野S)以来、19年ぶり。2年前の安田記念V後の芝8連敗で砂挑戦に踏み切った矢作師は「(芝G1・10勝の)父がフランケルで心配もあったけど、母系に根拠はあって調教も動く。芝G1馬をダートに使うのは根性がいる選択だけど、叩かれていい俺だからね」と笑った。母の父ヘネシーは米国G1ホープフルS優勝馬で、直子には07年フェブラリーS優勝馬サンライズバッカスがいる砂血統。結果は指揮官の見立て通りだった。

 次走は当然、砂のG1フェブラリーS。その後は芝に戻り、豪G1ドンカスターマイル(4月4日、ランドウィック芝1600メートル)へ。真の“二刀流”で国境なき頂点を目指す。鞍上は「安田記念も勝っているし、1600メートルは合う」とキッパリ。同師は「終わっていないことを証明できて良かった。豪州のG1は馬場が悪くなりがちなのでダートを使った意味もあった。本番まで中2週と短いので…。脚部に慢性的な不安を抱えている馬なのでしっかりケアできれば」と目を輝かせた。主役として迎えるフェブラリーS。自信を取り戻したアスコットに敵はいない。

 ◆モズアスコット 父フランケル 母インディア(母の父ヘネシー)牡6歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・キャピタル・システム 生産者・米国サマーウインドファーム 戦績20戦6勝(JRA19戦6勝) 総獲得賞金3億831万2000円。

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