【サンバサウジダービーC】フルフラット大金星!武豊 9カ国目V 新設サウジ国際競走初参戦で存在感放つ

2020年3月2日 05:30

サンバサウジダービーCを制した(左から)武豊、森秀行氏、大野剛嗣オーナー(AP)

 今年新設されたサウジアラビア国際競走が29日(日本時間同日深夜)、キングアブドゥルアジーズ競馬場で行われ、サンバサウジダービーCで武豊(50)騎乗のフルフラット(牡3=森)が優勝。武豊は続くサウジアCでもマテラスカイ(牡6=森)を2着に導き、初見参のサウジでその名をとどろかせた。一方、メインのサウジCに出走したゴールドドリーム(牡7=平田)、クリソベリル(牡4=音無)はそれぞれ6、7着に敗れた。

 サンバサウジダービーC後の口取り式。大金星を挙げたフルフラットの馬上で、武豊は大きく両手を広げてガッツポーズ。初めて訪れたサウジアラビアでの勝利が格別の様子で「とてもうれしい。今日は世界中のホースマンが来ていたので凄く勝ちたかった」と珍しく興奮を隠さなかった。

 レース前に頭絡が外れるアクシデントで一度は下馬。逃げそうになる同馬の左脚を武豊がとっさにつかむファインプレーで事なきを得た。レースは好スタートから先行集団の外へ。うなるような手応えをキープして直線に入ると、最後は楽に後続を突き放して2馬身1/4差の完勝を収めた。「状態が良かったのでチャンスはあると思っていた。米国(19年ブリーダーズカップジュベナイル5着)でも走ったので、その経験が生きたと思う」と武豊。これが自身9カ国目(騎乗は16カ国目)の海外での勝利となった。

 その40分後に行われたサウジアCでも連続好騎乗。外寄り12番枠から一気にハナに立って押し切りを狙ったが、ゴール寸前で地元馬ニューヨークセントラルの強襲に頭差屈した。武豊は「あー悔しい。あそこまで行ったら勝ちたかったけど、外枠の分、脚を使わされたのが最後に響いた」と嘆いたが、存在感たっぷりの騎乗だった。

 2頭とも次走はドバイへ。マテラスカイはドバイゴールデンシャヒーン(28日、メイダン)、フルフラットはUAEダービー(同)へサウジから直行。フルフラットはその後、ケンタッキーダービー(5月2日、チャーチルダウンズ)を目指す。世界中から名馬、名手が集った初のサウジ国際競走。「TAKE」の鮮烈な騎乗ぶりは、確かなインパクトを残した。

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2020年3月2日のニュース