米競走馬にドーピング容疑…ビッグレース獲りで経営資金調達の風潮が引き金か
2020年3月11日 05:30 【米競馬事情】サーヴィス師は米北東部のニューヨーク州を拠点としているが、気温がマイナスとなる冬場は温暖な南東部のフロリダ州に管理馬を移している。ナヴァロ師は、そのフロリダ州を拠点としており、2人の関係性は、このあたりにあった可能性がある。
サーヴィス師は18年が北米リーディング(獲得賞金)12位、19年が11位。マキシマムセキュリティが出たことで順位を押し上げたが、トップ10の常連というまでの厩舎ではない。
北米の競馬は昨年、サンタアニタパーク競馬場でレース中や調教中の事故死が相次ぎ、レースが休止となったり、頭数がそろわないレースが増えた影響もあり、開催日数(18年=4432日、19年=4425日)が微減。延べ出走頭数(18年=27万9774頭、19年=27万2553頭)も減った。発売金も減った(18年=1兆2390億3382万円、19年=1兆2142億6694万円)が、トータルの賞金額は18年=1229億5177万円、19年=1284億7138万円と約4・5%も増えている。これはファンの注目を引く高額賞金レースを増やしたため。全体的には低下傾向だが、ビッグレースさえ獲れば経営していける。そういう風潮が薬物使用への引き金となった可能性がある。