米競馬界大スキャンダル!サウジC初代王者マキシマムに薬物 調教師ら27人起訴
2020年3月11日 05:30 米国の競馬専門誌ブラッドホース電子版は9日、第1回サウジカップ(2月29日、サウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場)を優勝し、1着賞金約11億円を手にしたマキシマムセキュリティ(牡4)を管理するジェイソン・サーヴィス調教師を含む27人の調教師、獣医師などの関係者が競走馬に対するドーピングの容疑で起訴されたと伝えた。
ニューヨーク州南部の米国地方裁判所が9日に発表した起訴状によれば、サーヴィス師はほぼ全ての管理馬に対し、ルールに反したパフォーマンス向上薬を使用し、獣医師もこの行為に関与していたという。組織的犯行は2018年2月から行われ、すでに連邦捜査局(FBI)も捜査に着手。調教師と獣医師の間で交わされた携帯電話の会話も入手しているもようだ。米連邦検察が訴追した中で、競馬の事件としては史上最大規模となる。
使用された違法薬剤には心臓に過度の負担をかけるものもある。起訴状にはホルヘ・ナヴァロ調教師の名前もあり、昨年のドバイゴールデンシャヒーンを制したエックスワイジェットを管理していたが、同馬は今年1月に心臓まひで急死している。
マキシマムセキュリティは昨年のケンタッキーダービーで1位入線後、17着降着となり、全米で物議を醸した。その後に白星を重ね、昨年の米最優秀3歳牡馬に輝き、世界最高賞金レースとなった第1回サウジカップを快勝した。失格となるか、賞金の剥奪があるかなどは不明。
▼合田直弘氏(競馬評論家)今、北米競馬もようやく薬をやめようという方向に向かっており、この数年でラシックス(利尿剤)やビュート(非ステロイド系抗炎症剤)を禁止しようとする動きになっていました。それだけに残念です。
〇…国内では昨年6月14日、JRAの厩舎に納入された飼料添加物(グリーンカル)に禁止薬物テオブロミンが混入していたことが発覚。公正確保の観点から翌15、16日の出走予定馬のうち、飼料が納入された厩舎の管理馬156頭を競走除外とした事例がある。
調査の結果、故意ではなく、同製品を製造していた建屋内の別の製造ラインで粉砕されたカカオ豆副産物の粉じんが混入したことが原因で禁止薬物が検出されたと判明した。