高橋義博師、40年の競馬人生にピリオド「今後は少し、家族に寄り添うようにしたい」

2020年8月16日 13:34

<新潟競馬5R 新馬戦>18着でレースを終え騎乗した藤田菜七子(左)と話す高橋義博師(撮影・郡司 修)

 8月20日付で勇退する美浦の高橋義博師(69)が、16日の新潟5Rでラストランを迎えた。2歳新馬戦(1800メートル)でデビューしたキボウノヒビキ(牝)は最下位18着。高橋博師は「コロナ禍の中、少しでも“希望の響きを”と思いましたが、他馬を怖がってしまい全然ダメでした」と振り返った。

 99年3月の開業以来、約21年間でJRA通算3951戦132勝。調教助手時代を含めると約40年の競馬人生にピリオド。「調教師しての20年は短かった。やりたいことをやって満足できましたが、その分、家族に対しては不十分なことばかりだった。今後は少し、家族に寄り添うようにしたい」と話した。

 14日に発生した栗東トレセンの火災にも触れ「私自身、助手時代と調教師になってからでは責任の重さと緊張がまるで違った。今回の件を受け、調教師というのは改めていろいろな責任を背負っているんだと痛感させられた」と語った。

 勇退後は趣味のムエタイや、新たに陸上競技にも挑戦する夢がある。「どこかのリングやトラックで見かけたら、声をかけてください」。多くの騎手に握手攻めに合いながら、師は笑顔で競馬場を後にした。

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