【オールカマー】センテリュオ剛脚V!箔付いた重賞初制覇に高野師興奮「何とかブラックタイプを」

2020年9月28日 05:30

<オールカマー>センテリュオ(中央)はカレンブーケドール(左奥)と競り合いハナ差で1着。右は3着となったステイフーリッシュ(撮影・西川祐介)

 中山の「第66回オールカマー」は戸崎圭太(40)騎乗でセンテリュオ(牝5=高野)が重賞初制覇を飾った。

 殊勲の戸崎とセンテリュオが、意気揚々と引き揚げてくる。1着の枠場で高野師は拍手をして迎えた。「ありがとう。めちゃめちゃうれしい」。顔を紅潮させ、少し上ずった声で愛馬と好騎乗の鞍上に感謝した。

 初コンビとは思えない、息の合った騎乗だった。道中は中団より後ろの7番手を追走。前半5F64秒3のスローペース。「道中はリズム良く走れた。少し(ペースが)遅いと感じたが、ノリさん(横山典=ミッキースワロー)が動いていったあたりで流れてくれた。後ろを付いていって、いい位置で我慢できた」と戸崎。直線は大外からエンジン全開。先に抜け出したカレンブーケドールを一完歩ごとに追い詰め、鼻差で捉え切った。「ゴールの瞬間はかわしたか分からなかった。外を回ってしっかり差せたのは力の証明。力を出し切れて良かった」。右肘開放骨折による長期離脱から、6月に戦列復帰してこれで重賞3勝目。戸崎にとっても本格的な秋競馬のシーズンへ弾みをつける1勝となった。

 昨年5月にオープン入りしたセンテリュオだったが、その後は苦戦が続いた。「勝てるかな…というレースを勝てず、1番人気のレースでも結果を出せなかった」。高野師は苦闘の日々を振り返った。所属するクラブの規定で来春の引退が決まっている5歳牝馬。「それまでに何とかブラックタイプ(血統表で重賞を勝つと太字で表記)をつけてあげたいと頑張ってきた。この中間は筋肉に張りが出て、体を大きく見せていた。本当に良かった。興奮しました」。指揮官はしみじみと喜びをかみしめた。

 今後は放牧を挟み、昨年4着に敗れたエリザベス女王杯(11月15日、阪神)を目標にする。「いろいろ使ってきたが、距離は2200メートルがちょうどいい。年齢的に大幅な上積みはないかもしれないが、もっと良くなると信じて調整していきたい。より良い状態で出走させたい」。長いトンネルを抜け、秋の大舞台でのさらなる飛躍を期す。

 ◆センテリュオ 父ディープインパクト 母アドマイヤキラメキ(母の父エンドスウィープ)牝5歳 栗東・高野友和厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績16戦5勝 総獲得賞金1億7529万6000円。

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