【天皇賞・秋】偉業ラッシュに続け!アーモンドアイ 史上2頭目連覇&初の芝G1・8勝へ「自信ある」

2020年10月26日 05:30

史上単独最多となる芝G1・8勝目を狙うアーモンドアイ

 日本競馬界の偉業ラッシュは続く。「第162回天皇賞・秋」(11月1日、東京)には、G1・7勝馬アーモンドアイ(牝5=国枝)が登場。シンボリクリスエス(02、03年)以来、史上2頭目の秋盾連覇に挑む。芝G1・8勝目となれば、史上単独最多の大記録だ。

 偉業成就のバトンは淀から府中へ。2頭の無敗3冠馬誕生の熱狂冷めやらぬ中、今週は女王アーモンドアイが日本競馬史上初の芝G1・8勝目に挑む。国枝師は「アーモンドにはもう何も言うことはない」。泰然自若の構えで大一番を待つ。

 5歳の秋。所属するクラブの規定で来春までに引退する同馬にとっては集大成のシーズンとなる。「これだけの馬。繁殖牝馬としての未来もある。後世に血を残す意味でも、“次のステージまでとにかく無事に”という思いが強くなっている」と国枝師。ただ、ターフにもまだやり残したことがある。シンボリルドルフもディープインパクトも届かなかった芝G1・8勝。「記録として残るなら獲らせてあげたい」。名伯楽の言葉に親心がにじむ。

 主戦のルメールにとってもアーモンドは「特別な馬」。今春のドバイ遠征では、新型コロナウイルス感染拡大の情勢を踏まえ、国内での騎乗をキャンセル。異例のレース10日前に現地入りした。結局、レースが中止となり騎乗はかなわなかったが、「僕にとってはアーモンドアイが一番。彼女より大切なものなんてない。家族の一員のような存在なんだ」と後悔はない。かけがえのない愛馬と挑む、史上2頭目の天皇賞・秋連覇。「今年は強い馬がそろった。でも、彼女とならどんな相手でもノーフィアー。連覇、G1・8勝のビッグチャレンジ、自信があります」。菊花賞ではアリストテレスを駆り、コントレイルに冷や汗をかかせた。ベクトルは上向きだ。

 昨年と同じく安田記念からのぶっつけ。中146日での臨戦は秋華賞、ヴィクトリアマイル、そして昨年の天皇賞・秋と3戦3勝の“必勝ローテーション”だ。国枝師は「いつも通り」を強調。「年を重ねて体は立派になってきたが、息づかい、動きは全く変わりなく問題ない。(1週前追い切りに騎乗した)ルメールも状態が良くて凄く喜んでくれた。心強くてこっちも笑顔になっちゃったよ」。

 日本が世界に誇るスーパー牝馬は、ハッピーエンドの最終章へ態勢万全。その大きな瞳は蹄跡なき道を、はっきりと捉えている。

 ▼天皇賞 1905年(明38)創設のエンペラーズカップが前身。37年(昭12)に帝室御賞典競走として春秋2回開催となり第1回を東京で施行。47年秋「天皇賞」に改称。84年グレード制導入を機に秋は芝3200メートルから2000メートルへ。

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