【エリザベス女王杯】4歳+府中牝馬S組+差し馬=ラヴズオンリーユー!“ぶっつけ本番”は危険信号

2020年11月10日 05:30

ラヴズオンリーユー

 今週のG1は3歳&古馬の統一牝馬頂上決戦「第45回エリザベス女王杯」。今秋のG1・4戦は全て1番人気が優勝。そして「G1データMAX」もグランアレグリア(スプリンターズS)、デアリングタクト(秋華賞)、コントレイル(菊花賞)、アーモンドアイ(天皇賞・秋)と全て優勝馬をピックアップしてきた。堅い流れは続くのか?そして当欄の5連勝はなるか?

 (1)臨戦過程 今秋のG1は1番人気が順当Vの流れ。グランアレグリア、デアリングタクト、天皇賞・秋を秋初戦で制したアーモンドアイに代表されるように「ぶっつけ本番」が主流になっている。ただし、エリザベス女王杯に限れば話は正反対だ。

 過去10年、前走のステップ別では府中牝馬Sが【4・4・3・52】、秋華賞が【2・3・2・20】、オールカマーが【2・1・0・3】。残る優勝馬は10、11年連覇の外国馬スノーフェアリー。10年も11年も9月以降に走っていた。対照的に、前走が8月以前だった休み明け馬の優勝は一度もない。

 着外こそ多いが府中牝馬S組を“主流”とみるべきだ。12年優勝レインボーダリアは府中牝馬S4着。16年クイーンズリングは同1着。18年リスグラシューは同2着。昨年ラッキーライラックは同3着。敗戦組でもVチャンスは十分にある。

 3歳の主流ステップの秋華賞組だが着外が目立ち、優勝馬は2頭だけ。13年メイショウマンボは秋華賞1着。17年モズカッチャンは同3着からV。秋華賞で馬券圏内になっていないと古馬相手で勝ち切るのは至難。

 むしろ、効率の良さならオールカマー組だ。連対率50%。14年ラキシスはオールカマー2着。15年マリアライトは同5着。牡馬相手のG2を勝ち切るのは大変だが、そこで好走すれば糧となる。同じ2200メートルだけに直結する。

 問題はこの主要3ステップ以外。札幌記念からの直行は18年3着モズカッチャン1頭だけ。札幌記念3着から臨んで1番人気に推されたが、17年に続く連覇はならなかった。今年は、連覇を狙うラッキーライラックがカッチャンと同じ「札幌記念3着から直行」。これは不吉ローテか。札幌記念1着から挑むノームコアも臨戦過程には疑問符が付く。

(2)世代 年齢別成績は3歳が【3・4・3・29】。4歳が【6・3・6・45】。5歳が【1・2・1・48】。6歳(今年は該当馬なし)が【0・1・0・14】。4歳が圧倒的に強い。続いて3歳。かなりの出走頭数を誇る5歳は大不振と言っても過言ではない。5歳でも牡馬相手のG1でバリバリ活躍するような名牝はウオッカやジェンティルドンナ、アーモンドアイなど、女王杯をスルーして、もっとハードルが高い牡馬混合G1に挑むという事情もある。

 整理すれば、3歳の優勝は秋華賞3着以内から優勝したメイショウマンボ、モズカッチャンに加え、外国馬スノーフェアリーのみ。今年の3歳馬で「秋華賞3着以内」は同3着ソフトフルートだけ。残りの4頭は無視してOKだ。

 データを尊重すれば、今年の優勝馬はほぼ4歳から出るとみていい。4歳の優勝馬6頭中、4頭は3歳時の前年も女王杯に出走していた共通点があった。11年優勝スノーフェアリー(10年1着)、14年ラキシス(13年2着)、16年クイーンズリング(15年8着)、18年リスグラシュー(17年8着)。「前年も出走していた4歳」には注目して損はない。

 (3)脚質&コース実績 過去10年の優勝馬の「最終4コーナーの位置」は17年モズカッチャンの4番手を除けば、残る9頭は「6~10番手」の中団付近に位置した差し馬。優勝馬10頭中、京都初出走だったのは10年スノーフェアリーと15年マリアライトだけ。今秋は舞台が阪神に替わるが、コース経験があるに越したことはない。阪神芝実績で光るのは【3・1・0・2】のラッキーライラック。G1も阪神JFと今春の大阪杯の2勝と文句なしだが、ローテと5歳がマイナス材料。

 結論 イチ推しはラヴズオンリーユーだ。3着の昨秋はオークス(1着)からぶっつけ。今秋初戦の府中牝馬S(5着)は特殊な道悪で苦杯を喫したが、それでも前哨戦を使ったことは大きい。主流の「府中牝馬S」で世代成績が良い「4歳」。「3歳の昨秋もエリザベス女王杯に出走」して3着も評価できる。脚質を考えれば「差し」。加えて阪神芝も【1・1・0・0】と得意で、6月の鳴尾記念では内回り2000メートルで2着。V直結データがそろった。

 甲乙つけがたいのは好走効率がいいオールカマーを制したセンテリュオ。昨年のエリザベス女王杯で4着だった点も強調できる。問題は年齢(5歳)だけだ。

 【前年1番人気が雪辱】ラヴズオンリーユーは昨秋のエリザベス女王杯は1番人気で3着。春のオークス優勝以来の“直行”で挑み、優勝したラッキーライラックから0秒2差の惜敗だった。前年1番人気敗戦馬の女王杯参戦は過去8頭(別表)で、00年ファレノプシス、05年スイープトウショウが優勝。通算成績は【2・1・1・4】で3着内率は50%となっている。

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