【チャンピオンズC】チュウワウィザード 中央G1初V!今秋1番人気馬の連勝「7」で止めた

2020年12月7日 05:30

<チャンピオンズC>直線で抜け出し勝利するチュウワウィザード(右端)(撮影・亀井 直樹)

 王座奪取!師走のJRAダート頂上決戦「第21回チャンピオンズC」が6日、中京競馬場で行われた。4番人気チュウワウィザードが中団から徐々に押し上げ、直線の追い比べで抜け出し快勝。交流G1・2勝(昨年のJBCクラシック、今年の川崎記念)に続き、待望の中央G1初制覇だ。鞍上・戸崎は落馬負傷を乗り越え、18年皐月賞(エポカドーロ)以来のG1勝利。1番人気クリソベリルは伸びあぐね4着。スプリンターズSから続いていた秋のG1・1番人気の連勝は「7」でストップした。

 4度目で大きな山を越えた。チュウワウィザードが国内ダート8戦無敗のクリソベリルに土をつけた。昨年のこのレースで初対戦。今年の帝王賞、JBCクラシックと悔しい思いをした。勝ち馬の目標になった前走を踏まえ、今回は“密着マーク”。道中はピタリと後ろ。直線に入り一気にライバルをかわすとその勢いで前2頭をパス、Vゴールに飛び込んだ。戸崎は18年8月以来、2年4カ月ぶりのコンビで相棒の中央G1初Vをエスコート。自身は18年皐月賞以来のG1勝利を飾り笑顔で振り返った。

 「先生とレースプランを組み立てながら、作戦を練りました。前に強い馬を置きながらレースを運べた。直線を向くまでは付いていければと思っていました。こちらから踏んでいったら、かわしてくれましたね」

 昨年11月4日の落馬事故で重傷を負った。右肘の開放骨折と診断、手術後はリハビリの日々を送り、5月23日に復帰。その道のりを「腕が動かなかった時は、本当にまた騎乗ができるのだろうかと思っていました。忍耐強くやってきたのはつらかったけど、それがこうしてつながった。支えてくれた人たちに感謝ですね」と改めて思いを伝えた。

 管理する大久保師にとっても14年マイルCS(ダノンシャーク)以来の中央G1勝ち。「ずっと(クリソベリルに)勝てないでいたので、勝つにはどうしたらいいのかずっと考えていた」。強い情念が大一番で花開いた。

 今年はドバイWCで海外挑戦の予定も、コロナ禍もありレース自体が中止に。今年からチャンピオンズC勝ち馬には翌年のサウジC(21年2月20日、キングアブドゥルアジーズ)の優先出走権が与えられる。トレーナーが見通しを語る。

 「リベンジとはまた違いますが、海外も考えています。コロナの収束など流れを見ながらですけど、そこも選択肢に入れたい」

 今後はドバイ国際競走(21年3月27日、メイダン)を含めた海外遠征や、川崎記念(21年1月27日)を視野に入れる。国内のダート王者を堂々と破り、意気揚々と迎える21年。充実期を迎えた5歳牡馬のサクセスストーリーは、始まったばかりだ。

 ◆チュウワウィザード 父キングカメハメハ、母チュウワブロッサム(母の父デュランダル)15年4月19日生まれ 牡5歳 栗東・大久保龍志厩舎所属 馬主・中西忍氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績18戦10勝 総獲得賞金4億9102万1000円。馬名の由来は冠名+魔法使い。

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