【阪神JF】ソダシ、白毛の夢乗せて坂路軽快!須貝師「ええ感じ」
2020年12月10日 05:30 話題性でも、レースでも、主役の座は譲らない。2歳女王を決める「第72回阪神ジュベナイルフィリーズ」(13日)の最終追い切りが9日、栗東と美浦トレセンで行われ、ソダシ(須貝)が栗東坂路コースを力強いフットワークで駆け抜けた。1週前までに体は出来上がっていて、時計は控えめでもノープロブレム。白毛馬として初のG1制覇が、いよいよ現実味を帯びてきた。10日に出走馬が確定する。
純白の神秘的なボディーが、朝日に照らされてキラキラと輝いた。ソダシの最終追いは偶然にも“無人”となった坂路で単走。吉田隼の手は動かないまま、全くの馬なりでゴールを駆け抜けた。時計は4F54秒9~1F12秒9と地味だが、須貝師は「ええ感じやん。よし!よし!」と力強く、うなずく。引き揚げてきた鞍上も満足そうな笑みを浮かべた。
「先週の動きが良かったし、息もできていますからね。きょうは単走でストレスをかけないようにやりました。もともと完成度が高くて、ガラッと変わっているわけではないですが、“グンッ!”と行った時の反応は良くなっていますよ」
栗東屈指のハードトレーニングで知られる須貝厩舎らしく、攻め抜かれてきた。前走後も在厩で調整されて、追い切りには4週連続で吉田隼が騎乗。1週前のCWコースではブレイニーラン(5歳2勝クラス)を2馬身追走し、ラストはしっかりと追われて1馬身半先着。6F80秒6~1F12秒3の好時計をマークして、心身ともに十分な負荷をかけられた。ならば、最終追いは“塩こしょう程度”で何ら問題ない。
白毛で歴代最多の6勝を挙げる吉田隼には一つの確信がある。
「白毛は過敏なんですよね。ゲートの発進とか、いいところでもあるけど、紙一重です。ソダシも真面目過ぎて、競馬でハミを取り過ぎるのが課題です」
修正点が明白だからこそ、競馬学校の1年先輩でもある元ジョッキーの北村助手や今浪厩務員と連携して、改善に努めてきた。
「北村先輩がうまく調整してくれましたし、僕もレースでうまくコントロールしたいですね。普段から声をかけて、僕が乗ることで安心してくれれば…と思いながら、ここまで悔いのないようにやってきたつもりです」
もう話題先行とは言わせない。白毛としては初のG1制覇に向けて、「スター性のある馬だと思うし、何とか勝たせてあげたいです」と吉田隼。4戦4勝で無敗の2歳女王となれば、競馬界の枠を飛び越えたアイドルの座が現実味を帯びてくる。