【阪神JF】サトノレイナス、ルメールと行くアーモンドの道!クールな3頭併せに国枝師満足げ

2020年12月10日 05:30

ウッドチップコースで追い切るサトノレイナス(撮影・郡司 修)

 2歳女王決定戦「第72回阪神ジュベナイルフィリーズ」の追い切りが9日、東西トレセンで行われた。美浦の注目はWコースで追い切ったサトノレイナス(国枝)。同門のアパパネ、アーモンドアイの背中を追う名牝候補がデビュー3連勝でのG1戴冠を目指す。同レースの枠順は11日、確定する。

 進むのは国枝厩舎に残された名牝たちの轍(わだち)。2戦2勝馬サトノレイナスの追い切り後、国枝師は語った。「長い距離の方がいいとは思うが、ここで結果が出れば先々でも面白い」。アーモンドアイ感動のラストランから10日。G1初挑戦の2歳牝馬から漂う大器の予感。「来春はクラシックに行きたい馬。そりゃ、アーモンドアイみたいになってほしいなと思うよね」と朗らかに笑った。

 Wコースでの最終追いは、前にオムニプレゼンス(3歳1勝クラス)とビューティフルデイ(2歳未勝利)を置いてスタート。僚馬の後ろで折り合いをつけた。直線は内へ。馬なりのまま抜け出した後、真ん中のビューティフルに差し返された。ただ、師は「併せたのは動く馬。乗っていたのも(体重の軽い三浦)皇成だったから。競馬を想定した形で落ち着いていたし、しまいも良かったよ」と問題なしの見立てだ。

 父ディープインパクト。全兄は今年の弥生賞ディープインパクト記念(1着)、菊花賞(3着)で活躍したサトノフラッグ。兄も管理した師は「フラッグよりも早い時期からピリッとしている。馬体も立派」と評価する。前走・サフラン賞は後方からメンバー最速の上がり3F34秒0で一気に抜き去った。「出遅れたのがむしろ良かったのか、脚を生かせた。ルメールさんがうまく乗ってくれたよ」。アーモンドアイも任せた名手に信頼を寄せた。

 見つめる背中は09年阪神JFを制したアパパネ。そして史上最多芝G1・9勝のアーモンドアイだ。その先輩3冠2頭は新馬戦で敗れている。デビュー2連勝のレイナスに懸かる期待は当然大きい。「阪神マイルは競馬がしやすく、この馬の末脚が生きる。輸送も大丈夫でしょう」。牝馬クラシックを知り尽くした陣営が送り出す名牝候補。目指す頂は高い。 

 ≪過去3戦2勝≫サトノレイナス騎乗のルメールは阪神JFに過去3度挑戦して2勝と相性のいいレース。今年G1・8勝と手の付けられない男が、また勲章を積み上げるのか。

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