【京都金杯】ケイデンスコール大波乱復活V 18年以来の白星で3連単122万馬券演出

2021年1月6日 05:30

<中京11R・京都金杯> 直線で抜け出し勝利したケイデンスコール(左から2頭目)と馬上でガッツポーズの岩田康騎手 (撮影・亀井 直樹)

 中京メイン「第59回スポーツニッポン賞京都金杯」は12番人気ケイデンスコール(牡5=安田隆)が復活の重賞制覇を果たした。

 岩田康の右腕が上がった。何かを叫んだ。「完璧やった!」。自画自賛してケイデンスコールから下りる。向けられたカメラのレンズに46歳はガッツポーズをつくった。12番人気を快走に導き、3連単122万馬券を演出。お立ち台で胸を張った。

 「最高ですね。ベストのポジションでレースをして馬が応えてくれた。狙ったレースでドンピシャ、ハマった。前走(オーロC)もそう負けていなかったし、その時以上の追い切りもできた」。2日からトレセンに顔を出し、最終追いにまたがった。その効果がはっきりと出た。後方からわずかに脚を伸ばすだけだった相棒が、魔法にかかったように4番手のインで折り合った。直線ではボンセルヴィーソの外に出すロスがあったが、全く問題なし。全盛期を思わせる大きなアクション。激しくしなる右ムチ。すっかり頭髪が白くなった職人が最高の仕事ぶりを見せつけた。

 安田隆師はホープフルS(ダノンザキッド)から年をまたいで重賞連勝。「ケイデンスコールは最近、結果こそ出ていなかったが具合は凄く良かった。デビュー時と比べて馬も大きくなった。左回りも良かったし、もしかしたら奥手なのかもしれない」。18年新潟2歳S以来の白星。視界がパッと明るくなった。「この勝利がきっかけになれば。厩舎としても最高のスタートを切れた。今年は中身の濃い競馬をさせていただきます」

 控えめな指揮官らしからぬ大胆な宣言が飛び出した。先月はダノンスマッシュが悲願の香港スプリントV。ダノンザキッドは無傷の3連勝でホープフルS制覇。牡馬クラシック戦線の主役となることは必至だ。そんな厩舎の勢いに気持ち良く乗ってみせたケイデンスコール。縁起重賞で長いトンネルを抜けた。さらに重賞戦線を盛り上げていく。

◆ケイデンスコール 父ロードカナロア 母インダクティ(母の父ハーツクライ)16年2月11日生まれ 牡5歳 栗東・安田隆厩舎所属 馬主・㈲サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績15戦3勝、重賞2勝目 総獲得賞金1億3207万5000円。馬名の由来は訓練歌。 

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