【中山金杯】イグアス「ヒシ」復権V!15年ぶり重賞制覇 アマゾン、ミラクル“先輩”名馬の道へ

2021年1月6日 05:30

中山金杯を制したヒシイグアス(左から3頭目)(撮影・郡司 修)

 一年の計は金杯にあり。21年中央競馬の開幕を告げる東西金杯が5日、中山、中京競馬場で行われた。中山メイン「第70回中山金杯」は1番人気ヒシイグアス(牡5=堀)が3連勝で重賞初制覇。鞍上の松山弘平(30)は昨年の京都金杯(サウンドキアラ)に続く“金杯”連覇となった。中京メイン「第59回スポーツニッポン賞京都金杯」は12番人気ケイデンスコール(牡5=安田隆)が復活の重賞制覇を果たした。

 3連勝で重賞の頂まで一気に駆け上った。ヒシイグアスは道中、中団馬群のど真ん中。2~3歳時は逃げて勝ってきたが成長を遂げた今なら他馬に囲まれても我慢が利く。松山は「手前の替え方、緩かった馬体も良くなっている。道中は周りからプレッシャーがあったが辛抱した。どんどん成長している」。絶好の手応えのまま4角でスムーズに馬群の外へ。直線では懸命に抵抗する重賞戦線の常連たちを難なく蹴散らした。

 馬体を併せたココロノトウダイとは首差も「着差以上に強い競馬だった」と松山。“ヒシ”軍団として06年エルムS(ヒシアトラス)以来15年ぶりの重賞Vを飾った相棒を手放しで称賛した。「これからの馬。厩舎スタッフの方からも調教から良くなっていると聞いていたし、もっと上を目指したい」。父ハーツクライが世界を舞台に大活躍したのもイグアスと同じ5歳の時。父譲りの成長力がさらなる上昇曲線を約束する。

 完璧エスコートの鞍上は2年連続の金杯制覇。京都金杯Vから始まった20年は、無敗3冠牝馬デアリングタクトとともに最高の一年を歩んだ。今年も開幕日から、金杯を含むトップタイ3勝の好スタート。だが、「10、12Rを人気馬で勝てなかった。気を引き締めたい。大舞台でしっかり結果を出せるジョッキーになりたい」とおごる様子は一切ない。また、今週末の中山開催が再び無観客になるのを受け、「一日でも早く日常が戻ってくるよう、僕たち自身も気をつけて、競馬が止まることのないように頑張っていきたい」とファンにメッセージを送った。

 次走は未定も、若き3冠ジョッキーと破竹の上がり馬のタッグは、強豪ひしめく中距離路線の台風の目になり得る。最も勢いがある人馬の連勝街道はそう簡単には止まらない。

 ◇ヒシイグアス 父ハーツクライ 母ラリズ(母の父バーンスタイン)16年1月22日生まれ 牡5歳 美浦・堀宣行厩舎所属 馬主・阿部雅英氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績10戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億922万4000円。馬名の由来は冠名+アルゼンチン最大の滝イグアス。 

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