出世レースの3歳G3「第55回シンザン記念」が10日、中京競馬場で行われ、4番人気のピクシーナイトが逃げ切り、重賞初制覇。鞍上の福永祐一（44）は、史上5人目（現役4人目）となるJRA通算2400勝（1万8117戦目）のメモリアルV。新種牡馬モーリス産駒のJRA重賞初Vとなった。

　課題のスタートを決めたピクシーナイトがハナへ。初めて逃げる形になったが、鞍上の福永は折り合いをつけて、道中はリズム良く運んだ。直線も後続を寄せ付けず完封。1分33秒3の好時計で重賞初Vに導いた。鞍上が振り返る。

　「逃げる形もアリかなと思っていた。前走は（ゲートの）駐立が悪かったけど、陣営がそこを重点的に修正してくれたし、いいスタートを切れたのが大きかったですね」

　福永＆音無厩舎のコンビでシルクレーシングの勝負服といえば、マイルG1・2勝インディチャンプと同じ。鞍上は「G1を勝てる能力を持っているという認識はあった。これから、どういった競馬ができるか」と期待を寄せる。通算2400勝達成には「たくさんの馬のおかげで達成することができた。これからも馬にとって良い騎乗ができる騎手でいられるよう精進していきたい」と喜んだ。

　今後について、音無師は「今日の感じなら（距離は）マイルでもいけると思う。春はマイル路線にいく予定」と見通しを語った。14年のシンザン記念を逃げ切った音無厩舎のミッキーアイルはマイルG1を2勝した。偉大な先輩の背中を追う。

　◆ピクシーナイト　父モーリス、母ピクシーホロウ（母の父キングヘイロー）18年5月14日生まれ　牡3歳　栗東・音無厩舎所属　馬主・シルクレーシング　生産者・北海道安平町のノーザンファーム　戦績3戦2勝　総獲得賞金4806万6000円　馬名の由来は母名＋騎士。