【フェアリーS】ファインルージュV!桜花賞主役名乗り、ルメール絶賛「ポテンシャルはG1レベル」

2021年1月12日 05:30

フェアリーSを制したルメール騎乗のファインルージュ(撮影・西川祐介)

 3歳牝馬重賞「第37回フェアリーS」が11日、中山競馬場で行われ、3番人気のファインルージュ(木村、父キズナ)が豪快に差し切って2連勝を飾った。2着に2馬身半差をつける完勝で、堂々と桜花賞(4月11日、阪神)に名乗りを上げた。昨年JRA重賞17勝を挙げた鞍上のクリストフ・ルメール(41)は、今年の重賞初勝利となった。

 混戦を断つ2馬身半差。他馬をちぎったファインルージュの強烈な末脚に、ルメールは鞍上で確かな手応えを感じていた。「楽勝。今日はライバルがいなかったね」。未勝利戦からの連勝で3戦2勝。初コース、距離延長を難なく克服したパートナーに「ポテンシャルはG1レベルにありそう」と最大級の賛辞を贈った。

 スタートで出負けし、道中は後方馬群のど真ん中。「出遅れて少し心配したけどペースが速かった。だんだんポジションを上げられたし、道中の我慢も利いていた」とルメール。前半5F58秒7のハイラップを楽々と追走。4角では早め抜け出しを図った1番人気テンハッピーローズのすぐ外まで位置を上げた。先行勢がバテた直線は独壇場。残り200メートルで早々と先頭に立つと「ゴールまで凄い脚で伸びた」。名手も舌を巻く末脚で突き抜けた。

 阪神JF組不在とはいえ、秀抜の勝ちっぷりで瞬く間に桜花賞の主役候補に躍り出た。492キロは同レース史上最高馬体重での勝利。木村師は「元々大きさがあって体に恵まれている馬。いい間隔を空けられて運良く順調に来られた」とにんまり。次走は未定も、「“G1(桜花賞)に行きます”と言っても恥ずかしくない競馬をしてくれた」と言い切った。

 打倒・2歳女王ソダシへ、鞍上は「今日はゲートでチャカチャカしていた。G1ではスタートが大事なので次はいいスタートが欲しい。そうすれば、もっといい位置を取れる」とさらなるレベルアップを求める。木村師も「途中で気を抜く面があったり、これから課題をクリアしていければ」と認識を共有。伸びしろを残して、ちょうど3カ月後に控える大舞台への道程を歩んでいく。

 ルメールは今年の重賞初勝利のインタビューを「ファンの皆さん、明けましておめでとうございます。(新型コロナに)気をつけてください」と元気に締めくくった。昨年は3冠馬2頭の陰に隠れたが、2021年は、常勝の男が3歳クラシック戦線でも存在感を発揮するに違いない。

 ◆ファインルージュ 父キズナ 母パシオンルージュ(母の父ボストンハーバー)18年3月11日生まれ 牝3歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・六井元一氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦2勝 総獲得賞金4346万円。馬名の由来は元気+母名の一部。

特集

2021年1月12日のニュース