【京成杯】キタサンブラックの夢再び!顔も“そっくり”タケルジャック 「デビュー3戦目重賞初V」続く

2021年1月13日 05:30

細い流星がキタサンブラック似のタケルジャック(左は偉大な先輩のキタサンブラック)

 年明け恒例の3歳重賞「第61回京成杯」はクラシックを意識する東西の素質馬がそろった。栗東から遠征するタケルジャック(牡)はG1・7勝馬キタサンブラックを育てた清水久師の管理馬。父ブラックタイド、東京芝1800メートル戦デビュー、誕生日まで偉大な同馬とぴたり一致。毛色こそ違うが顔も似ている。偉大な先輩と同じくデビュー3戦目の中山で北村宏司(40)を背に重賞初Vを目指す。

 偉大な先輩を追って、強気に重賞初チャレンジだ。タケルジャックは清水久厩舎のブラックタイド産駒。G1・7勝を挙げて顕彰馬に選出されたキタサンブラックと父と厩舎、そして驚くことに誕生日の3月10日まで同じだ。毛色は鹿毛と青鹿毛で異なるものの、鼻の細い流星はうり二つ。清水久師は「今回が試金石ですよ」と控えめな第一声だったが、話を進めると徐々にトーンが上がってきた。

 「気性的にキタサンブラックはドンとしていました。それに比べると、まだ子供っぽいところが残っていますね。ただ、身のこなしは似ています。柔らかい動きをするんですよ」

 昨年11月、時季こそ違えどキタサンブラックと同じ東京芝1800メートルでデビュー。残り5Fからラップが加速し続ける末脚比べの中、好位から抜け出して初勝利を挙げた。2着馬との着差はキタサンブラックの新馬戦と同じ1馬身1/4だった。

 続く前走の1勝クラスは押し出されるようにハナへ。上がり3F33秒7の、超がつく上がり勝負でディープインパクト産駒2頭に遅れを取ったが、決して悲観する内容ではなかった。「敗れたとはいえ、最後は差し返そうとしていました。それに今回は1勝馬ばかり。チャンスはあると思っています。賞金加算できればクラシックに向かうことができるし、どのくらいの器なのかが分かる一戦。“それだけの器”になってほしいですね」(清水久師)

 キタサンブラックはデビュー3戦目だった中山のスプリングSで重賞初制覇を果たした。レースこそ違うが、タケルジャックも今回が3戦目。鞍上も同じ北村宏だ。並み居る良血を打ち負かしてのタイトル奪取となれば、ブラックの背中がはっきりと見えてくる。

 ▽15年スプリングSのVTR 新馬戦、500万下を連勝。引き続き、北村宏とのコンビで挑んだキタサンブラックは5番人気。1番人気は共同通信杯でドゥラメンテを破ったリアルスティール(のちドバイターフ制覇)。2番人気は朝日杯FSの覇者ダノンプラチナ。1000メートル通過62秒6のスロー中、2番手で折り合ったキタサンブラックは4角で先頭。坂でも踏ん張り、ゴール前で鋭く迫ったリアルスティールを首差退け、初重賞を手にした。

 ◆キタサンブラック 父ブラックタイド 母シュガーハート(母の父サクラバクシンオー)現役時は栗東・清水久厩舎所属 馬主・大野商事 生産者・北海道日高町ヤナガワ牧場 戦績20戦12勝。15年菊花賞、16、17年天皇賞・春、16年ジャパンC、17年大阪杯、天皇賞・秋、有馬記念でG17勝 総獲得賞金18億7684万3000円。馬主は歌手の北島三郎(84)。ラストランの有馬記念後は「お別れセレモニー」が行われ、北島が「ありがとうキタサンブラック」を熱唱。現在は社台スタリオンステーションで種牡馬。

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