JRA、昨秋からコロナ給付金不正受給疑惑を把握

2021年2月19日 05:30

 JRAの調教助手らが、新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金を不正受給した疑いがある問題で、JRAが遅くとも昨年秋までに不正が行われている可能性を把握していたとみられることが18日、競馬関係者への取材で分かった。独自の調査や業界団体への調査要請もしていなかった。

 JRAは「調教助手らは調教師に雇われており、管理監督する立場になく、具体的な受給事例は把握していなかった」と未調査だった理由を説明するが、関係者からは実態解明に後ろ向きだった姿勢を問題視する声もある。給付金の申請受け付けは昨年5月に始まり、トレーニングセンター周辺で公然と申請の勧誘が行われていた。業界内では受給者がいることは周知の事実だったといい、関係者は「G1シリーズの時期で把握も遅れ、大ごとにしたくないとの意図があったようだ」と話している。

 また、JRAと日本調教師会の役員がこの日、今後の対応を協議した。調教師会は各調教師に対し、厩舎スタッフ全員の給付金受給の有無を確認するよう通達。来週半ばまでに調査内容を集約し、JRAに報告する見込みとなった。

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