横山武の「努力」でエフフォーリアに勲章を

2021年2月19日 05:30

無傷3連勝で共同通信杯を制覇したエフフォーリアとガッツポーズの横山武(撮影・西川祐介)

 【競馬人生劇場・平松さとし】14日、東京競馬場で行われた共同通信杯(G3)を勝ったのはエフフォーリア(牡3)。管理するのは美浦の鹿戸雄一調教師で、騎乗したのは横山武史騎手だった。

 横山武騎手は大ベテランであり、名ジョッキーの横山典弘騎手の三男。兄の和生騎手の後を追うように17年に騎手デビュー。4年目となった昨年は初重賞勝ちとなったウインマリリンでのフローラSなどを含む計94勝。22歳の若さで早くも関東リーディングの座に輝いてみせた。

 「ノリちゃんとはジョッキー時代からよく遊んだ仲間だから」

 父の横山典弘騎手との関係をそう語ったのが鹿戸調教師。滞在先が一緒になると、しょっちゅう武豊騎手や松永幹夫騎手(現調教師)、田中勝春騎手らと一緒に食事をしたり、お酒を飲んだりしたそうだ。

 そんな経緯もあっての騎乗依頼かと思ったが、それには「う~ん」と軽くうなった後、口を開いた。

 「最初のとっかかりはそうかもしれません。でも、今では武史自身の頑張りを見て依頼しています」

 こう言うと、昨年関東リーディングを獲れたのは単に勢いや馬に恵まれたということではなく「とにかく一生懸命にやっている成果だと思います」と続けて言った。

 「そう感じているのは私だけではないようで、オーナー方のウケも良いです。“武史でいこうと思うのですが?”とおうかがいを立てると、断られたことがありません。皆、彼が精いっぱい頑張っている姿勢を知っているのだと思います」

 今回のエフフォーリアは横山武騎手自らの希望もあって、3週連続で追い切りに騎乗してから臨んだ。それも栄冠と無関係ではないだろう。

 「レース後の水曜日にはいったん、ノーザンファーム天栄に放牧に出しましたが、おそらく次走はぶっつけで皐月賞(G1)になるかと思います」

 鹿戸調教師はそう言う。若い横山武騎手のクラシック制覇があるのか。今週末のフェブラリーS(G1)のヤマニンアンプリメともども応援したい。(フリーライター)

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