【すみれS】ディープモンスター、進撃の怪物!池江厩舎のスター候補、武豊背に3勝目だ

2021年2月23日 05:30

池江厩舎が送り込む良血ディープモンスター

 注目の3歳馬にスポットを当てる「Road to Classic」。今週は28日(日)阪神芝2200メートルで行われる「すみれS」をピックアップ。池江泰寿厩舎が送り込む良血ディープモンスター(牡、父ディープインパクト)が名手・武豊(51)を背にクラシックへ向け、3勝目を狙う。

 怪物(モンスター)というには割と普通の450キロ前後のボディー。しかし、ギアが入ると四肢の動きが見違え、怪物へと変身する。ディープモンスターには競走馬には不可欠なオンとオフのメリハリがある。

 最初から、そんな理想的なサラブレッドだったわけではない。昨夏、小倉でデビューを迎える予定だった。だが、馬場入り後、まさかの放馬アクシデント。競走除外の憂き目にあった。

 そこから2カ月。陣営はレースを迎えても“テンパらない”よう、我慢を教え込んだ。仕切り直しの10月京都・新馬戦。楽に3番手を追走し、直線を向いてあっさり抜け出す教科書通りの競馬を披露した。武豊は「落ち着きがあったし上手に競馬をしてくれた」とレースセンスを高く評価。陣営にとっては「落ち着きがあった」という言葉が何より自信となった。2着馬とは0秒2差だったが、着差以上の実力差を誰もが感じ取った。

 2勝目は年明けの中京・梅花賞。馬群で流れに乗り、残り150メートルで先頭に立ち、余裕十分に振り切った。2200メートルへの延長も全く問題なし。役者が違った。池江師はこう振り返った。「走りにくい馬場状態だったが、うまくこなしてくれた。ノメっていたがバランスが整ってからの反応が良かった。勢いがつくと、しっかりと加速していい脚を使っていた」

 ここまで理想的な成長過程をたどっている。距離はOK。前走時の中京より、今の阪神は馬場がきれいだ。相当な降雨でもない限りは死角がないように思える。

 1週前追いはCWコースで藤岡康を背に併せ馬。経験豊富なトゥザフロンティア(6歳3勝クラス)を4馬身も追走したあたり、陣営の評価の高さがうかがえる。直線、内からあっさり2馬身先着。1F11秒6はさすがのラップだ。「息と体とメンタルをつくる追い切り。動きは良かった」(池江師)。現時点の収得賞金は900万円。クラシック出走へ取りこぼしは許されない。「レースセンスも瞬発力もある。競馬の内容も良くなっている。勝たないと賞金を加算できないので、ここは結果を出したい」

 池江厩舎は18年キタノコマンドール、19年サトノルークスで、このレース連覇と相性抜群。取りこぼすシーンは想像できず、勝ってクラシックロードへと歩を進めるはずだ。

 ▽すみれS 69年に現在の前身となる「すみれ賞」として創設。89年「すみれS」に改称(90年のみ、すみれ賞)された。84年以降は舞台を現行の阪神に移し、85年から芝2200メートルに定着(91、94年は中京芝2000メートル、95年は京都芝2200メートル)。過去の勝ち馬では88年スーパークリークが菊花賞V。ダービー馬も96年フサイチコンコルド、04年キングカメハメハと2頭誕生している。

 《2月後半から3月は“池江厩舎の季節”》2月後半から3月にかけては池江厩舎の3歳馬が強い季節。すみれSを2勝していることは前述の通り。11年オルフェーヴルは3月のスプリングSで2勝目を挙げ、そこから一気に3冠制覇&有馬記念へと連勝を積み上げた。17年は2月のアーリントンCをペルシアンナイト、3月の毎日杯をアルアインが勝ち、皐月賞では1着アルアイン、2着ペルシアンナイトでワンツー。地道に教育してきたことが一気に開花するのが今の時季の池江軍団なのだ。

 《18年から3連勝中ディープ産駒の庭》昨年、阪神芝2200メートルは計15鞍行われた。ディープインパクト産駒は延べ33頭が出走して【3・4・2・24】。出走頭数が多い分、勝率9.1%にとどまったが種牡馬別トップの勝ち星。18年キタノコマンドール、19年サトノルークス、20年レクセランスとディープインパクト産駒は、すみれS3連勝中だ。

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