【弥生賞】ダノンザキッド撃破!タイトルホルダー逃げ切りV 皐月賞主役に名乗り

2021年3月8日 05:30

<弥生賞ディープインパクト記念>レースを制したタイトルホルダー(左)。右は2着のシュネルマイスター(撮影・郡司 修)

 皐月賞トライアル「第58回弥生賞ディープインパクト記念」が7日、中山競馬場で行われ、4番人気タイトルホルダー(牡=栗田、父ドゥラメンテ)が初騎乗の横山武史(22)に導かれて逃げ切り、重賞初制覇を決めた。これがドゥラメンテ産駒の重賞初V。一方、単勝1・3倍。圧倒的1番人気となった昨年の最優秀2歳牡馬ダノンザキッドは伸び切れず3着。4戦目にして初めて土が付いた。2着シュネルマイスターとともに皐月賞(4月18日、中山)の優先出走権を手にしたが牡馬クラシック戦線がにわかに風雲急を告げ始めた。

 抜群のスタートを切り、周囲を確認しながら先頭に立つと、ライバル9頭はタイトルホルダーと横山武がつくり出す流れにのみ込まれていった。4F目の13秒0から12秒9、12秒6、12秒3と少しずつペースを上げていく。これでは後続は一気の上昇が難しい。1000メートル通過が62秒6。完全に流れを掌握した。「単騎でうまくマイペースで行けたことが大きかった。スタートも速く、イメージ通りだった」(横山武)

 直線を向く。リズム良く右ムチ4発。これで決まった。夢へと続く2000メートルを堂々と逃げ切った。「まだ本番はこれから。ただ、いい形でトライアルを勝てて良かった。調教の時から動きが良く、感触も抜群だった。いい騎乗ができたのではないかな」。デビューから全3戦に騎乗した戸崎がサウジ遠征からの帰国隔離で不在。横山武は依頼を受けると2週連続で調教にまたがった。「カッとしやすい馬。そこが鍵」。性格をつかみ作戦を練った。昨年の関東リーディングに史上最年少の22歳で輝いた男は準備も思考も実践もできる。描いたイメージをしっかりとターフで表現した。

 1月5日以来、今年2勝目を挙げた栗田師は、ホッとした表情だ。「うまく乗ってくれた。馬の良さはスピードの持続力。今日はそれが見えた。ここで結果を出したことは大きい」。新馬戦をスピード十分に逃げ切った。だが、逃げるだけではいつか限界が来る。我慢する競馬を教えた。気性面の改善にも着手。クロス鼻革でストレスを軽減させ、気持ちを高ぶらせなかった。全ての工夫が大物食いにつながった。

 一気に混戦ムードとなったクラシック。横山武は共同通信杯を制したエフフォーリアで皐月賞に向かうとみられ、タイトルホルダーの皐月賞の鞍上は未定だ。桜花賞では3連勝中のアカイトリノムスメ(国枝)に騎乗予定の横山武。今年の牡牝クラシックの鍵は22歳が握っている。

 ◆タイトルホルダー 父ドゥラメンテ 母メーヴェ(母の父モティヴェイター)18年2月10日生まれ 牡3歳 美浦・栗田厩舎所属 馬主・山田弘氏 生産者・北海道新ひだか町岡田スタツド 戦績4戦2勝 総獲得賞金8582万8000円。馬名の由来は「選手権保持者」。

 【弥生賞アラカルト】
 ☆父子制覇 横山武の父、横山典も弥生賞を2勝(90年メジロライアン、09年ロジユニヴァース)しており父子制覇に。
 ☆大物か 1勝馬によるVは87年サクラスターオー、96年ダンスインザダーク、19年メイショウテンゲンに次ぐもの。サクラ、ダンスはクラシックホースとなった(84年以降)。

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