【ドバイGS】レッドルゼル2着 最低人気Vゼンデンはゴール入線後に故障
2021年3月28日 00:41 後方から直線勝負に懸けたレッドルゼル(牡5=安田隆)が2着に突っ込んだ。勝ったのは逃げた単勝万馬券(日本発売オッズ)の米国馬ゼンデン(牡5=デイヴィッド)だが、ゴール後に左前肢故障のアクシデントに襲われた。
米国のゼンデンが圧倒的なパフォーマンスで逃げまくるハイペースで、好位勢がいわゆる“付きバテ”の状態に。この流れでゴール前、外から伸びてきたのがレッドルゼルだ。騎乗したムーアは序盤から速い流れに付き合わず折り合わせる。末脚を引き出すことに専念した。セーフティーリードを取っていたゼンデンには届かなかったが、見応えのある2着を確保した。
アーモンドアイ、サートゥルナーリアといったG1馬を送り出し、既に名声を得ている種牡馬ロードカナロアが、新たな可能性を示したレースとなった。現役時代は芝短距離のレベルで世界トップクラスを誇る香港において12、13年と香港スプリントを連覇。香港、ひいては香港に競走馬を供給するオーストラリアやニュージーランドにおいても、香港名「龍王」ことロードカナロアの強さは驚きを持って受け止められた。昨年暮れには産駒ダノンスマッシュが香港スプリントの父子制覇を達成。ディープインパクト亡きいま、種牡馬ロードカナロアはおそらく世界の生産者たちが注目する存在になる。
安田隆師は芝1400メートル新馬でデビュー(3着)したレッドルゼルを2戦目でダートにコンバート。「この馬はダートの方が向いていますから」と適性をズバリ見抜き、今年根岸Sで重賞初制覇、フェブラリーS4着。そして海を渡ってドバイゴールデンシャヒーン2着に好走。芝ダート、距離の長短といったフィールドを超越する“ロードカナロア王朝”のダート短距離の急先鋒がレッドルゼル。今後、どこに目標を置くのか、興味は尽きない。
また、コパノキッキング(セン6=村山)は5着、ジャスティン(牡5=矢作)は11着、マテラスカイ(牡7=森)は12着だった。