【皐月賞】精神面成長!タイトルホルダー充実 栗田師「気持ちにゆとり出てきた」
2021年4月15日 05:30 【G1ドキュメント・美浦=14日】美浦は雨。春らしい生暖かい空気を切り裂くようにタイトルホルダーが躍動した。Wコースの単走追いで5F67秒5(馬なり)。先週の5F65秒5に比べると時計はセーブしたが、浜田の目には先週よりもいい動きに映った。栗田師に感触を問うと「先週は動かす調教でしっかり負荷をかけた。今週は整える程度。いい追い切りができた」。納得の表情で振り返った。
弥生賞は3戦無敗で臨んだダノンザキッドに土をつける逃げ切りV。「まさか勝つとは思っていなかった」。栗田師は正直な感想を口にした上で続けた。「トライアルだが権利を獲るためにしっかり仕上げて臨んだ。展開に恵まれた面もあったが、馬は自分の力を発揮してくれた。後続に脚を使わせる競馬で、ゴール前は安心して見ていられた」。
最も大きいのは精神面の成長だ。師は「肉体面の完成度は元々高い馬だが、前向きすぎる気性が課題だった。それが放牧を重ねるごとに気持ちにゆとりが出てきた」と評する。2勝はいずれも逃げ切りだが「気性の問題ではなく自然と前に行く形。ゲートも速く二の脚も利く」。前半に無理をしていない分、勝負どころから最後の直線でスピードが持続するのが強みだ。
一方で「まだ力みやすい面もあるので、コーナー4回の舞台は合っている」。前走Vの中山2000メートルという設定にも期待を寄せる。週末は雨予報。もし差し、追い込み勢が伸びあぐねる展開なら…。再び独り旅があっても驚けない。