【皐月賞】ディープモンスター 静かに燃える“伏兵”無欲で不気味な存在

2021年4月15日 05:30

坂路で追い切るディープモンスター(撮影・亀井 直樹)

 ディープモンスターは主役の器か、それとも現時点では伏兵の域か?前走すみれSまで4戦3勝の戦歴は胸を張れるが、重賞は未経験とあって、皐月賞で有力視される面々とは対戦していないも同然。力関係が難しく、ベールに包まれた感は拭えない。

 坂路単走の最終追い切りも馬なりで4F54秒6~1F12秒5にとどめた程度でアピール度は希薄。池江師も「今朝は馬なりでサッと。息遣いは良かった。輸送もあるので微調整ですね。順調。いい意味で大きな変化はない」と淡々としたジャッジに終始した。

 馬名はシンプルにディープ(産駒)の怪物、であってほしい願いが込められたものであろう。新馬戦を除けば以降の3戦が10頭を割る少頭数で馬名ほどの強烈さを発揮した場面はない。リステッド競走のすみれSは発走前に蹄鉄を打ち直す出来事があり、落鉄に気づかず走っていれば結果がどうだったか?発走直前、他馬に騎乗するジョッキーの指摘で判明したものだから運は持ち合わせている。

 「前走は勝てたことが何より」とするトレーナーは「本来は直線が長いコースが合うタイプ。小回りは合っていないかもしれないが距離は合うと思います」とプラス要素とマイナス要素を明確にした。“無欲”がいい結果を呼ぶ気がしないでもない。

 ≪戸崎隔離期間終了≫戸崎圭太(40)が、ドバイ遠征後の14日間の自主隔離期間を終え、14日から美浦で調教騎乗を再開した。隔離期間中はトレーナーから送信された動画を参考に自宅でトレーニングに励んだ。チュウワウィザードで歴史的2着に入ったドバイワールドCを改めて振り返り「負けはしたが世界を相手によく頑張ってくれた」と愛馬を称えた。

 今週末からレースにも復帰。皐月賞では関西馬ディープモンスターと初コンビを組む。4戦3勝の実力馬。「レースぶりを見る限り能力は高いが、まだ若さを残す印象。距離を走れているのは強みだが、今回はトリッキーな中山もポイントになりそう。その点を(池江)先生とも話して、レースに臨みたい」と語った。

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