【ヴィクトリアM】国枝厩舎連覇へ マジックキャッスル、剛脚繰り出しG1初Vだ
2021年5月10日 05:30 今週はマイル女王決定戦「第16回ヴィクトリアマイル」(16日)が東京競馬場で行われる。好メンバーがそろう中、注目したいのは昨年の秋華賞2着馬マジックキャッスル(牝4=国枝)。昨年、同じ国枝厩舎のレジェンド、アーモンドアイが制したレースでG1初制覇を目指す。
「いやー、あれも強かったなあ」。国枝師がうれしそうに振り返った昨年のヴィクトリアマイル。好位4番手から驚異の上がり3F32秒9で抜け出したのがアーモンドアイだった。ベストバウトを決めがたいレジェンドの中でも強さが際立ったレース。今年、同厩舎のマジックキャッスルが勝利のバトンを引き継ぐ。アーモンドの現役時に調教パートナーも務めた素質馬について、師は「東京は合っていると思うよ。ディープインパクト産駒らしい追い込みが決まってくれれば」と期待を込める。
一躍、名を売ったのが昨年の秋華賞。10番人気ながらデアリングタクトに鋭く迫り、0秒2差の2着に好走。史上初の無敗3冠牝馬に冷や汗をかかせた。その後は愛知杯(1着)→阪神牝馬S(2着)と重賞で連対し、秋華賞がフロックでないことを証明した。師は「前回(阪神牝馬S)は川田(1着デゼル)にうまく押し込められただけ。馬は力をつけているよ」と成長を実感している。
マイルなら明確に末脚が威力を増す。ヴィクトリアマイルと同舞台の20年クイーンC(2着)の上がり3Fが33秒4、前走・阪神牝馬Sが同32秒4と極上の切れ味を発揮してきた。師は「長いところでも立ち回れていたけど、体形的にはマイルで十分といった感じ。流れが速ければ速いほどしまいで切れると思っている」と適性をアピールする。
Wコースでの1週前追いもラスト1F11秒9(5F66秒4)と切れた。国枝師は「しまいの反応を含めていい動きだった。この中間は順調に調整できているし、今回は輸送がないのもいいね」と笑みを浮かべる。ここはグランアレグリアに前走で敗れたデゼルと剛脚自慢が集結。アーモンドアイと鍛えた武器で、いざ、末脚比べだ。
▽ヴィクトリアマイル 牝馬の引退時期の晩年化に対応するためエリザベス女王杯の4歳以上への開放などに続いて、春の古馬牝馬路線の充実を図る目的で06年に創設。第1回は北村宏司騎乗のダンスインザムードが優勝した。