【オークス】藤懸 ハギノピリナと“人馬一体”、初G1で神騎乗再び!前走まくり作戦ズバリ

2021年5月21日 05:30

ハギノピリナで勝利した藤懸貴志

 11年目の必殺仕上げ人、藤懸貴志(28)がハギノピリナでG1初挑戦。2連勝中で距離延長も大歓迎の同馬と大舞台での好走を狙う。

 藤懸のG1初挑戦に感じる強烈な違和感。なぜか?G1の最終追い切りに彼が乗る機会が多いからだ。栗東トレセンでは「最終追いは藤懸に任せろ」と言われている。負荷をかけすぎない、注文通りの“絶妙なサジ加減”に定評があるのだ。

 とはいえ、11年目での初G1は悲願だった。コンビを組むハギノピリナはデビュー戦から手綱を取り、自身の導きでオークスの大舞台へと駒を進めた。2勝目を挙げた前走の矢車賞は明らかに神騎乗。高野師が「ジョッキーの好判断。素晴らしい騎乗だった」と振り返ったほどだ。

 スタートで後方に置かれたが、スローとみるや向正面で大胆に3番手まで進出。先行2騎の動きに呼応して仕掛けたタイミングがドンピシャ。最後は競り合いでしぶとさを余すことなく引き出した。このレースから読み取れるのは人馬の相性の良さと無尽蔵のスタミナ。間違いなく東京の2400メートルは歓迎だ。

 「今まではG1に向かう馬を追い切ってバトンを渡していた。今、改めてG1に乗ることの重みを感じている。距離も左回りも心配ない。チャンスがある馬なので狙っていきたい」と意気込む。最終追い切りでは程よい気合乗りと落ち着きを感じた。今回は誰にも手綱を渡さない。自分自身のために施したこん身仕上げ。爪痕を残すだけでは終わらない予感がする。 

 ◆藤懸 貴志(ふじかけ・たかし)1993年(平5)2月25日生まれ、長野県出身の28歳。11年に平田厩舎からデビュー。JRA通算2996戦97勝。20年からフリー。同期の現役騎手に美浦の杉原誠人、横山和生、嶋田純次、栗東の森一馬がいる。

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2021年5月21日のニュース