【宝塚記念】福岡助手、ユニコーンライオンと大舞台で恩返しを 西浦氏と矢作師に感謝と笑顔届ける

2021年6月25日 05:30

宝塚記念に挑むユニコーンライオンと福岡助手(撮影・亀井 直樹)

 トレセン生活11年目の福岡助手がユニコーンライオンとのコンビで大一番に挑む。幼少期の頃「風のシルフィード」という競馬漫画に出合い、この業界に興味を持った。大山ヒルズ→宇治田原優駿ステーブルで馬乗りを経験。競馬学校を経て10年3月に西浦厩舎へ所属した。

 「西浦先生はいつも“この世界は勝つことが何よりも大事”と言っていました」。この言葉を胸に結果を求め続けた。担当したアルマワイオリが14年朝日杯FS2着など重賞で好走したもののタイトルには手が届かず。2月いっぱいで定年引退した師匠に恩返しすることはできなかった。「先生以外にも奥さんまで僕を気にかけてくれたり、まるで家族のように接してくれました。重賞を勝ってみんなで喜びたかった…。それを実現できなかったことが唯一の後悔ですね」

 今年3月に矢作厩舎へ。そして出合ったのが当時3勝クラスのユニコーンライオンだった。前々走・弥彦Sを制してオープン入り。前走・鳴尾記念で人馬ともに初タイトルを奪取した。「レース後、すぐに西浦先生の奥さんから“おめでとう”と連絡が届いた。夫婦でレースを見てくれていたようで。あのひと言で肩の荷がスッと下りた」と笑みを浮かべる。

 5歳を迎えて本格化。充実期に入った今ならG1でも期待は膨らむ。「素質のある馬を任せてくれた矢作先生には感謝しています。やれることは全てやった。あとは馬を信じるだけ」。自分のことよりも周りの喜ぶ顔が大好き。これまで培った経験を生かし、勝利で多くの人々に笑顔を届ける。

 ◇福岡 五大(ふくおか・ごだい)1981年(昭56)10月26日生まれ、大阪市出身の39歳。10年3月に西浦厩舎に所属。今年2月いっぱいで厩舎の解散に伴い、矢作厩舎に移った。ユニコーンライオンの他に、ディープインパクト産駒の2歳牝馬パーソナルハイを担当している。

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