“宝塚の歴史”カレンブーケドール初G1獲りへ

2021年6月25日 05:30

悲願のG1初制覇を狙うカレンブーケドール

 【競馬人生劇場・平松さとし】2000年の宝塚記念(G1)から翌01年の天皇賞(春)(G1)まで、メイショウドトウはG1に5戦走り毎回2着に惜敗した。

 時代が悪かった。G1・2着5回の勝ち馬は全てテイエムオペラオー。00年の同馬はジャパンC(G1)や有馬記念(G1)など5戦のG1を含む8戦8勝。先述した通り翌春の天皇賞も勝ち、実に出走したG1・6連勝を飾ってみせたのだ。

 目の上のたんこぶとも言える宿敵に、メイショウドトウが雪辱を果たしたのは01年の宝塚記念。ライバルより前で競馬をすると、中盤まではすぐ後ろでマークされた。しかし、3コーナーで早めに動き直線入り口では先頭に立って宿敵との差を開く奇襲を披露。最後はテイエムオペラオーの猛追を抑え、優勝。悲願のG1初制覇を飾った。

 テイエムオペラオーの主戦・和田竜二騎手としては悔しい敗戦だったはずだが、同騎手は18年にミッキーロケットで宝塚記念を優勝。17年前のメイショウドトウのように早め先頭から後続を振り切り優勝。ミッキーロケットにとってこれがG1初制覇だった。

 そんな宝塚記念が週末に迫った。今年も初のG1制覇を目指す馬はたくさんいるが、中でも強い想いを持っているのはカレンブーケドール(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)陣営ではないだろうか。3歳時はオークス(G1)、秋華賞(G1)、ジャパンC(G1)で2着。古馬となった昨年も3強対決で沸いたジャパンCでその3強に続く4着など、G1での惜敗が続いている。

 ただ、悲願を達成しようと思えばまず同期のクロノジェネシスに先着しなくてはならない。この昨年の覇者とは過去に5度一緒に走って先着したのは1度きり。1勝4敗なのだ。

 しかし、メイショウドトウやミッキーロケットがそうだったようになかなか勝てない相手を破って初G1勝ちがあるのが宝塚記念の歴史だ。もっともカレンブーケドールの場合、クロノジェネシスだけでなく、レイパパレという強敵もいるのだが…。強力な2頭の牝馬にもう1頭の牝馬がどれくらいやれるのか。注目したい。 (ターフライター)

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2021年6月25日のニュース